「知っているはずの英語が口から出てこない」「言いたいことはあるのに途中で止まってしまう」と感じることはありませんか。単語や文法の知識は増えているのに、会話になるとスムーズに話せない。特に中上級者ほど、「もっと自然に言いたい」「間違えたくない」と考えすぎてしまい、かえって話しにくくなることがあります。実はこれは、英語力が足りないというより、知識を会話で使える形に変える練習が不足していることが大きな原因です。
また、中級レベルまでは日常会話や最低限のやり取りで何とかなる場面も多いため、「困ってはいないけれど、上級にも行けていない」という停滞感を抱えやすいのもこの段階の特徴です。例文暗記や定番表現の練習は役立ちますが、それだけでは自分の考えや経験をその場で英語にする力は育ちにくいものです。しかも、実際には書き言葉のように完璧な文を作ろうとしてしまい、話し言葉らしい自然な運びができずに苦しくなることも少なくありません。中上級から上級への壁は、能力の問題だけではなく、そうした力を鍛える練習の場が足りないことにもあります。
この記事では、そんな中上級者の悩みに寄り添いながら、なぜ伸び悩みが起こるのかを整理したうえで、上級を目指すために本当に必要な練習方法をわかりやすく解説します。さらに、ただ話して終わるのではなく、話す・見直す・話し直すを繰り返しやすい教材や学習アプリも紹介します。「何をやればいいのか分からない」「今の練習で合っているのか不安」という方でも、自分に合った次の一歩が見つかるはずです。
英語スピーキング中上級者が伸び悩みやすい理由

知識は増えても、とっさに英語が出てこないから
単語や文法の知識だけでは、会話はスムーズにならない
英語学習をある程度続けてきた人ほど、「知っていること」と「話せること」の間に大きな差があると感じやすくなります。単語帳で見たことのある語、問題集で解いたことのある文法、読めば理解できる英文はたくさんあるのに、いざ自分が話す番になると口が止まる。この感覚は、中上級者に非常によく見られるものです。
その理由は、会話では単なる知識の再生ではなく、瞬時の選択と組み立てが求められるからです。読むときは相手がすでに書いてくれた英文を処理すればよいですが、話すときは自分が語順を決め、必要な語を選び、相手に伝わる形にまとめなければなりません。しかも実際の会話では、考える時間は長くありません。ある研究では、2秒以上の間があると別の人が話を始めてしまうという報告もなされています。
中上級者は、初級者よりも多くの知識を持っているぶん、「単語はこれでいいか」「もっと自然な言い方があるはず」「この前置詞で合っているか」と判断すべきことが増えます。知識量が多いこと自体は強みですが、それが瞬発的な運用につながっていなければ、逆に詰まりやすさの原因にもなります。
つまり、スピーキングに必要なのは、単語や文法を知っていることだけではありません。必要な英語を、必要なタイミングで、必要な形にして出せることです。この「運用力」は、読む・解く中心の学習だけでは十分には育ちません。中上級者が次の段階に進むためには、知識を増やすこと以上に、知識を口から出せる形に変えていく練習が必要になります。
中上級者ほど「正しく話そう」として止まりやすい
英語力が上がるほど、「雑でもいいからまず話す」ことが難しくなる場合があります。これは一見不思議ですが、非常によくあることです。初級者のころは使える表現が限られているため、ある意味で選択肢が少なく、多少不正確でも前に進むしかありません。
ところが中上級者になると、「間違えたくない」という気持ちも強くなりやすいです。初級のころなら仕方ないと思えたミスが、中上級になると自分で許せなくなることがあります。その結果、口を開く前に頭の中で何度も修正し、結局発話が遅くなる。これはスピーキング練習において大きな壁です。
もちろん、正確さは大切です。ただし、会話では正確さだけがすべてではありません。伝わりやすさ、テンポも同じくらい重要です。中上級者に必要なのは、完璧な英文を最初から一発で出すことではなく、「まず伝える」「あとから改善する」という流れを受け入れることです。正しさを重視する姿勢を捨てる必要はありませんが、話している最中は少し優先順位を下げる。その感覚が持てるようになると、発話はかなり楽になります。
口頭文法を知らないから
英語を話すとき、学校で習った教科書と同じように話そうとしていませんか?もしそうだとしたら、それは口頭文法(=Spoken Grammar)を知らないからかもしれません。
実際の会話では、文を最後まできれいに作り切るより、途中で言い直したり、少しずつ付け足したり、相手に合わせて形をゆるく調整したりすることが自然に起こります。ところが教科書文法の感覚に強く縛られていると、「ちゃんと完成した文で、正確に、きれいに話さなければならない」と感じやすくなります。その結果、口頭では本来ある程度許容されるはずのためらい、言い換え、ややゆるい構文を自分で禁止してしまい、発話が止まりやすくなります。
特に中上級者は、「不自然な英語を言いたくない」という意識が強くなりやすいです。しかし実際には、会話で求められるのは、筆記文法的に完璧な英文を一発で出すことではなく、相手とやり取りを続けられる自然な口頭運用です。上級に近づくほど必要なのは、書くように話すことではなく、話し言葉らしく話せることです。
口頭文法については、別記事で詳しく解説しています。
例文暗記だけでは、実際の会話に対応しにくいから
用意された英文の置き換えでは応用力が育ちにくい
市販教材や学習アプリの多くには、便利な例文や会話表現がたくさん載っています。これらは学習の出発点として非常に役立ちますし、まったく不要ということではありません。しかし、中上級者が上級を目指す段階では、例文を覚えるだけでは足りなくなります。
その理由は、実際の会話が「見たことのある文をそのまま言う場面」ばかりではないからです。相手に急に自分の仕事について説明する、あるニュースについて意見を求められる、失敗談を話す、相手の発言に反応して話を広げる。このような場面では、暗記した文をそのまま当てはめるだけでは対応しきれません。
例文中心の学習では、「この日本語にはこの英語」という一対一の対応を覚えがちです。すると、少し文脈が変わっただけで急に口が止まります。たとえば、「私は旅行が好きです」は言えても、「最近は子育てがあるので旅行の優先順位が下がっています」のように条件が増えると、一気に難しく感じることがあります。これは単語や文法がわからないからではなく、自分で内容を構成する訓練が不足しているからです。
中上級者に必要なのは、表現のストックを増やすことに加えて、それらを状況に応じて組み替える力です。決まった文を言えることよりも、「言いたいことに合わせて英文を作れること」のほうが重要になります。例文はあくまで材料であり、完成品ではありません。そこから一歩進んで、自分の話したい内容に合わせて形を変える練習が必要です。
自分の考えや経験を英語で組み立てる練習が必要になる
英語スピーキングが伸びる人は、単に「正しい英文」を知っている人ではなく、「自分のことを英語で話せる人」です。ここで言う「自分のこと」とは、自己紹介のような基本情報に限りません。最近あったこと、仕事の悩み、休日の過ごし方、子どもの成長、社会問題に対する意見、ある出来事をどう感じたか。そうした個人的な内容を、自分の言葉で組み立てられることが大切です。
なぜなら、現実の会話は相手とのやり取りの中で進み、その場その場で話す内容が変わるからです。暗記した模範解答だけで乗り切れる場面は限られています。特に中上級者になると、相手もより具体的で個人的な返答を期待しやすくなります。「Yes, I like it.」で終わるのではなく、「なぜそう思うのか」「どんな経験があるのか」「何と比べてそう言えるのか」まで求められることが多くなります。英語そのものの学習だけではなく、「英語で自分を表現する練習」です。これができるようになると、英会話でも試験でも、話す内容に厚みが出てきます。
1回話して終わる学習では、伸びが頭打ちになりやすいから
話しっぱなしでは改善点が曖昧なまま残る
スピーキング練習でありがちなのが、「とにかく話した」「時間いっぱい英語を出した」という達成感だけで終わってしまうことです。もちろん、話す量そのものは大切です。しかし、中上級者がさらに伸びるためには、量だけでは不十分です。
1回話しただけでは、自分の何がよくて何が課題なのかが曖昧なままになりやすいです。たとえば、本人は「単語が出なかった」と感じていても、実際には問題は語彙不足ではなく、文のつなぎ方だったかもしれません。あるいは「文法ミスが多かった」と思っていても、本当の課題は内容が短すぎて話が広がらなかったことかもしれません。自分の感覚だけで振り返ると、課題認識がずれることがあります。
また、スピーキング中は話すこと自体に意識が向いているため、自分のミスを客観的に捉える余裕があまりありません。後になって漠然と「うまくいかなかった」と感じても、具体的に何を直せばいいのかわからない。その状態で次の練習に進むと、同じ癖や同じミスを繰り返しやすくなります。
中上級者の停滞は、この「やっているのに改善が見えにくい」状態から起こることが多いです。だからこそ、話すだけでなく、話した内容を見返し、改善点を把握する仕組みが必要になります。
添削と話し直しまで行って初めて伸びやすくなる
国際結婚をしたネイティブの男性の話です。日本人の妻が、もう20年以上も経つのに品詞の間違いが直らないというのです。最初の頃は直そうとしていたようですが、あまりに直らないので諦めたと言っていました。直そうとすると本人も嫌がるし、機嫌が悪くなるのでやめたそうです。
そうは言っても、他人からの指摘(フィードバック)なしには正確さは向上しません。スピーキング練習の質を大きく変えるのが、「話す→添削を受ける→話し直す」という流れです。この3段階が揃うと、1回の練習から得られる学びが一気に増えます。
まず、話したあとに添削が入ることで、自分では気づかなかった課題が明確になります。文法の誤り、不自然な語順、もっと自然な言い回し、内容の足りない部分などが見えるようになります。ここで終わってしまうと、「なるほど」と思って終わるだけですが、さらに重要なのは、その直後にもう一度話すことです。
フィードバックを受けた直後は、改善点がまだ頭に残っています。このタイミングで同じテーマについて話し直すと、修正した表現をすぐ口に出せます。そうすると、ただ理解しただけの知識が、実際に使った経験へと変わります。この差はとても大きいです。読むだけ、見るだけではなく、自分で使った表現は定着しやすくなります。
中上級者に必要なのは、単に正しい答えを知ることではなく、「改善した表現を使えるようになること」です。そのためには、添削と再発話がセットになっている練習が効果的です。話しっぱなしの学習から抜け出し、「毎回少しずつ修正して前に進む」感覚を持てるようになると、停滞感はかなり減ります。
英語スピーキング中上級者に必要な練習法
①自分の言葉で話す練習
中上級以降の学習では、「与えられた内容を英語にする」よりも、「自分の中にある内容を英語で表現する」ことが重要になります。これは難しく感じるかもしれませんが、実際の会話で求められるのはこちらです。
自分の言葉で話す練習をすると、まず内容を考え、その内容を表すために必要な英語を探すことになります。この過程こそが、スピーキング力を鍛えます。逆に、毎回似たような例文の置き換えばかりしていると、実際の対話で少し話題がずれたときに対応しづらくなります。
中上級者ほど、話す内容に個性や具体性が求められます。だからこそ、日常、仕事、家族、趣味、価値観など、自分に関係のある内容を英語で話す練習が有効です。
②間違いをすぐに確認する
スピーキングの改善は、時間が空くほど難しくなります。昨日の会話で何をどう間違えたかを細かく思い出すのは簡単ではありません。だからこそ、話した直後に自分の発話を確認できる環境が重要です。
直後であれば、「ここで止まった」「この表現に自信がなかった」「別の言い方をしたかった」という感覚がまだ残っています。その状態で訂正やモデル文を見ると、納得感を持って修正できます。この即時性は、中上級者にとって特に価値があります。なぜなら、細かな表現差や自然さの改善は、時間が経つと印象が薄れやすいからです。
③フィードバック直後の話し直しが定着につながる
フィードバックは受けるだけでは足りません。大切なのは、その場で言い直すことです。指摘された表現を、同じテーマで改めて話す。モデル文の一部を取り入れてもう一度話してみる。この「直後の再使用」が定着を促します。
中上級者は理解力が高いぶん、「わかった気になる」ことが多いです。しかし、理解したことと使えることは別です。話し直しまで行うと、理解が運用に変わります。これが上達のスピードを左右します。
④成長が見える仕組みを作る – 感覚ではなく、記録で伸びを確認する
スピーキング学習が続かない理由の一つは、伸びが見えにくいことです。読書量や単語数は数字で把握しやすい一方、話す力は「なんとなく前よりマシかも」で終わりがちです。これでは、努力と成果が結びつきにくく、モチベーションも保ちにくくなります。
だからこそ、感覚だけでなく記録で振り返ることが重要です。たとえば、以前より長く話せるようになったか、話す速度が安定してきたか、ミスが減ってきたか。そうした変化を見える形にすることで、学習は続けやすくなります。
CEFRの目安、語数、スピード、正確さのような指標があると、自分の課題を切り分けやすくなります。
たとえば、正確さは高いのに止まりが多いなら、流暢さや構成の問題かもしれません。逆に、スピードはあるのに正確さが低い場合もあるかもしれません。こうした見方ができると、次に何を練習すべきかが明確になります。
⑤多様なテーマに触れて、語彙と構成力を広げる
同じ種類の話題ばかりだと、使う表現も固定化しやすいです。トピックの幅を広げることで、新しい語彙だけでなく、新しい話の組み立て方も身につきます。特に中上級者は、話題の多様さがそのまま会話対応力につながります。
私自身は、英語教師という職業柄、多様なトピックについて大学院の授業や職場の同僚とディスカッションする機会がありました。今思えば、こうした経験がスピーキング力の土台になっていると感じます。
英語スピーキング中上級者にハナセル!をおすすめしたい理由
「ハナセル!」は英語スピーキングに特化したアプリです。CEFR準拠で全てのレベルに対応しており、もちろん中上級である B2 ~ C1 の学習者にもバッチリ対応しています。
「ハナセル!」が中上級者にオススメの理由は、以下の3つです。
- 自分の言葉で話す練習ができる
- 添削がすぐ返ってくる
- 学習の伸びを可視化しやすい(レベルチェックあり)
理由①
自分の言葉で話す練習ができる
例文の置き換えではなく、自分の考えや経験を話す設計
ハナセル!は、決まった例文をなぞるよりも、自分の考えや経験を英語で話すことを重視した設計です。公式サイトでも、「決まった例文をなぞるのではなく、あなた自身の考えや経験を英語で話す練習ができる」と案内されています。
これは中上級者にとって大きな利点です。なぜなら、この段階で必要なのは、例文再生ではなく、自分の内容を英語にする力だからです。自分のことを話す練習は、実際の会話や面接にも直結しやすく、応用力が育ちやすいです。
実際の会話につながりやすい練習ができる
ハナセル!は、「自分のことを自分の言葉で話し、AIで見直し、もう一度話す」流れによって、実際の会話で英語を組み立てて話す力を育てる設計です。つまり、単なる問題演習ではなく、会話運用に近い練習として使いやすいのが特徴です。
理由②
添削がすぐ返ってくるから
書き起こし・文法訂正・モデル文をその場で確認できる
ハナセル!では、話した直後に書き起こし、文法訂正、モデル文、CEFRレベルの目安などを確認できます。この即時フィードバックは、中上級者の学習と非常に相性がよいです。細かな不自然さや、より自然な言い換えを、その場で確認しやすいからです。
フィードバックが遅れると、「なるほど」で終わってしまいがちです。一方、話した直後に確認できれば、そのまま同じテーマで話し直すことができます。これは、改善点を理解で終わらせず、使用経験に変えるうえで非常に大きいです。
話す→見直す→話し直すの流れを作りやすい
ハナセル!では、「話す→見直す→話し直す」の反復を、自分のペースで続けられます。
これは、まさに中上級者に必要な練習の形です。話しっぱなしで終わらず、修正を反映した再発話まで行えるため、1回の練習から得られる学びが大きくなります。
また、自分のパフォーマンスに納得がいかない場合、同じテーマに何度でも再挑戦できます。実は、これはかなり重要です。1回目でうまく言えなかったことを、2回目で改善する。この反復があると、表現が少しずつ自分のものになっていきます。
理由③
学習の伸びを可視化しやすいから
CEFR、正確さ、語数、スピードの推移を確認できる
ハナセル!では、CEFR、正確さ、語数、スピード、ベストスコア、月ごとの推移などを確認できる学習ダッシュボードが用意されています。これにより、感覚だけでなく、記録ベースで自分の成長を追いやすくなっています。
スピーキング学習は、成果が見えにくいと続きません。だからこそ、前月より語数が増えた、CEFRの目安が上がった、正確さが安定した、といった変化が見えることには大きな意味があります。
CEFR準拠のレベルチェックが何度でも受けられる
「ハナセル!」では、学習の推移だけでなく、CEFR準拠のレベルチェックが何度でも受けられます。1回1分程度のスピーキングを3回繰り返すだけです。たったそれだけで?と思うかもしれませんが、スピーキングの出来に応じて次の課題を変えてくれるシステムになっているので、短時間でも測定が可能です。
測定内容も B1 High などのように、細かく表示してくれます。同じレベル帯でも、今自分がどの位置にいるのかがわかりやすくなっています。スピーキング力は、リーディングやリスニングのテストでは測れないので、今まで測定する機会がなかった方は一度挑戦してみるのがオススメです。自分のレベルがわかることで、適切な課題やフィードバックを得やすくなります。
詳しくは、別記事でレビューしています。ぜひあわせてご覧ください。

























ASAKOROKO
長年にわたり英語教育と試験対策に携わり、英検対策授業やAIを活用したスピーキング練習支援の研究を行っています。学習者一人ひとりが自宅でも効率よく学習を進められるよう、実践的かつ科学的な学習法の紹介を心がけています。