英検準2級プラスの2次試験(面接・スピーキング)を徹底解説! 内容・流れ・対策まとめ

英検準2級プラスの面接は、2級と同様の4問構成になります。特にイラスト問題が「絵の描写」から「ストーリー説明」へ発展し、状況を説明する力が必須になりました。本記事では、この新フォーマットを前提に、面接の流れと各パートの特徴、そして最短で点数になる対策まで一気に整理します。「準2級からの延長線」では通用しないポイントを押さえ、合格を目指しましょう!

この記事の執筆者

ASAKOROKO

  • 英検1級取得
  • 英国大学院修士(TESOL/英語教授法)修了
  • 日本の大学で英語科目を担当する現職教員

長年にわたり英語教育と試験対策に携わり、英検対策授業やAIを活用したスピーキング練習支援の研究を行っています。学習者一人ひとりが自宅でも効率よく学習を進められるよう、実践的かつ科学的な学習法の紹介を心がけています。

英検準2級プラスの2次試験(面接)は何が変わったのか

準2級・プラスともにA2レベル

どちらもCEFRでA2に分類されますが、準2級プラスは A2の上位(A2+)に位置づけられています。語彙や文法そのものは大きく変わりませんが、思考力と説明力がより重視されます。

出題形式が2級に近づいた

準2級ではNo.1〜No.5の5問形式でしたが、準2級プラスはNo.1〜No.4の4問構成に変更されました。No.2のイラスト問題は「絵の描写」ではなく、ストーリー説明型(過去形・吹き出し引用あり)になっています。準2級以上に状況を説明する力が求められます。

面接の流れと各問題の特徴についても見ていきましょう。

面接の流れと各問題の特徴

準2級プラスの面接形式は、2級とほぼ同じです。難易度が2級よりも易しく設定されています。出題形式が準2級と変わるため、対策は必須です。面接の流れは次の通りです。

面接の流れ
  1. 問題カード本文の黙読・音読
  2. 本文ついての音読
  3. 3コマ漫画の描写問題
  4. 意見質問①(将来どうなると思いますか)
  5. 意見質問②(どちらが良いと思いますか)

特に大きく変わったのがイラストの描写問題です。準2級では人々の行動を描写する問題が中心でしたが、準2級プラスでは2級同様にストーリー性のあるイラストを描写しなければならない点に注意が必要です。

カード本文の特徴

本文カードの問題例(オリジナル想定問題)

準2級プラスの面接カードの本文は、準2級の45語より長く、2級の55語より短い約50語に設定されています。準2級より文章が長くなるので、20秒の黙読時間では目を通しきれないケースも出てきます。焦って全てに目を通そうとすると全く内容が頭に入らなくなり、その後の内容理解問題で不利になります。

音読は急いで読む必要はありません。スピードを競うものではありませんから、自分のペースで、着実に内容を理解しながら読み進めていきましょう。特に、黙読時間で最後まで目を通しきれなかった場合は、少しゆっくり、内容理解に時間をかけるつもりで読んで大丈夫です。

このページに掲載されているオリジナル想定問題は49語です。試しにスマートフォンのタイマーを20秒にセットして、黙読してみるのも良いでしょう。

本文の内容理解問題

問題例(オリジナル想定問題)

本文の内容理解問題は、準2級とほぼ同じ形式での出題になります。たいてい、How か Why から始まる質問になります。 How で聞かれたら By …ing で答える、Whyで聞かれたらBecauseをつける、そのほかには By doing so などの内容は具体的に説明するなど、準2級で培った基本を活かしていきましょう。

イラスト描写問題

問題例(オリジナル想定問題)

面接問題で、準2級から最も変更された部分です。2級と同様に3枚のイラストを描写する問題となります。進行も2級と同じで、次のようになります。

  1. 20秒間の準備時間
  2. イラストの上に書かれた英文を読み上げる
  3. 吹き出しの発言や内容に触れて描写する

最初の20秒の準備時間では、イラストに目を通してストーリーを理解しましょう。ストーリーを説明するときは、必ずイラストの上部に書かれた英文から始めます。

イラストを描写する際は、吹き出しの発言や内容に触れて描写していきます。準2級プラスでは、発言が2つ❌印のイラストの吹き出しが1つ出題されます。また、時間の経過を表す表現と矢印があるので、描写に活用しましょう。

【サンプル問題の解答例】Ken is sitting in his classroom with his classmates. Their teacher is smiling and saying, “We’ll go on a field trip tomorrow.” The children are listening happily with their backpacks on their chairs. After school, Ken goes to a candy shop with his mother. She says, “Choose three snacks you like.” Ken looks excited as he picks a snack from the colorful shelves. Next day, but it is raining heavily. Ken is at home, sitting sadly by the window as he can’t go on a field trip.

ケンはクラスメートたちと一緒に教室に座っています。先生は笑顔で「明日、遠足に行きますよ」と話しています。子どもたちは、椅子にリュックをかけたまま嬉しそうに聞いています。放課後、ケンは母親と一緒にお菓子屋さんへ行きます。母親は「好きなお菓子を3つ選んでいいよ」と言います。ケンは色とりどりのお菓子が並ぶ棚から、わくわくした様子でお菓子を選んでいます。翌日、大雨が降っています。ケンは遠足に行けず、家で窓のそばに座って悲しそうにしています。

意見質問①(将来どうなると思いますか)

質問の多くは、身近なものの「今後」や「変化」を予想するタイプです。2級の社会問題ほど抽象的ではなく、日常の範囲で未来を予測する力を試します。

質問例:

  • Do you think more people will use bicycles in the future?(将来、もっと多くの人が自転車を使うようになると思いますか?)
  • Do you think students will study abroad more in the future?(将来、もっと多くの学生が留学するようになると思いますか?)
  • Do you think more people will eat traditional Japanese food in the future?(将来、もっと多くの人が日本の伝統的な食べ物を食べるようになると思いますか?)

解答は、次のように構成すると答えやすくなります。

構成:I think 〜 will … because … . Also, … .
例:I think more people will use bicycles because it’s good for their health. Also, it’s better for the environment.(自転車は健康に良いので、もっと多くの人が利用するようになると思います。それに、環境にも優しいですから。)

No.4 意見質問②(どちらが良いと思いますか)

2つの選択肢を比較して、自分の意見を述べます。「〜より…の方がいいと思う」形式で、理由を2文程度で述べるのが基本です。

質問例:

  • Which do you think is better, eating at home or eating at restaurants?
     → 家で食べるのと、レストランで食べるのでは、どちらが良いと思いますか?
  • Which is better, reading books or watching movies?
     → 本を読むのと、映画を見るのでは、どちらが良いと思いますか?
  • Which do you think is better, traveling with family or traveling with friends?
     → 家族と旅行するのと、友達と旅行するのでは、どちらが良いと思いますか?

解答は、次のように構成すると答えやすくなります。

構成:I think … is better because … . Also, … .
例:I think eating at home is better because it’s cheaper. Also, I can eat healthy food with my family. 家で食べる方が安いので、良いと思います。それに、家族と一緒に健康的な食事もできます。

各問題の配点と合格点

準2級プラスの面接は33点満点です。合格点は19点です。内訳は以下の通りです。

面接の配点
  1. 問題カード本文の黙読・音読(5点)
  2. 本文ついての音読(5点)
  3. 3コマ漫画の描写問題(10点)
  4. 意見質問①(将来どうなると思いますか)(5点)
  5. 意見質問②(どちらが良いと思いますか)(5点)

*アティチュード3点

イラストの描写問題とアティチュード以外は5点問題です。満点が取れればそれに越したことはありませんが、4点は欲しいところです。最低でも3点は確保したいです。イラスト問題は8点が出せれば、アティチュードの点数に左右されず安定して合格に届きます。

準2級プラス合格に向けた効果的な対策法

1. まずは面接対策教材を揃える

「準2級プラス対応」と明記された最新版を選ぶ

まずは、出題傾向を正確に把握できる問題集を選びましょう。準2級とは構成や質問形式が異なるため、「英検準2級プラス対応」と明記された最新版が必須です。

実際の面接は、音読・内容質問・ストーリー説明・意見表明が一連で行われます。したがって、1回分のテストを通しで再現できる構成の問題集を使うのが効果的です。リスニング練習+発話練習ができるタイプなら、独学でも臨場感のある対策が可能です。

現在、市販教材の中でも準2級プラス対応を明記している書籍はまだ少数ですが、以下のようなタイプが特におすすめです。

オススメ①
英検®準2級プラス 面接大特訓 音声DL版[面接動画付]

面接官とのやり取りをリアルに再現した、本番シミュレーション型教材です。3コマイラストの描写練習から意見問題まで、一連の流れを動画で確認できるため、初めてでも本番の雰囲気をつかめます。回答例はすべてナチュラルな英語で収録されており、音声DLでシャドーイング練習にも対応。

また、質問に対する答え方のテンプレートが整理されているため、「考える」より「口が動く」状態を作る練習にも効果的です。

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オススメ②
英検準2級プラス 面接 最速で合格点突破の極意:直前準備でも受かる!面接こそ頭を使わず楽をしろ!

ユニークなタイトル通り、「できるだけ考えずにスムーズに話す」ことに焦点を当てた対策本です。英語面接が苦手な人でも、「質問→反射的に答える」練習を重ねることで、自信を持って臨める構成になっています。イラスト問題・意見問題ともに具体的な例が豊富で、短期間で得点パターンを体得することができます。

特に、「こう答えれば減点されない」「沈黙しないコツ」など、面接の心理的な側面まで丁寧に解説しており、プレッシャーに弱い受験者にもおすすめです。

準2級プラスの教材は別記事でも紹介しています。合わせてご覧ください。

2. イラスト問題(ストーリー説明)の対策をする

吹き出しの引用(直説法)を習得

準2級プラスの No.2(イラスト問題)では、3コマのイラストに吹き出しが描かれており、そのセリフを英語で引用して話す(直説法)ことが求められます。この吹き出しを自然に取り入れて話せるかどうかが、ストーリーの完成度と評価を大きく左右します。

たとえば、吹き出しに

Let’s grow tomatoes in our garden.

(庭でトマトを育てましょう)

と書かれていた場合、次のように話します。

Mrs. Sato said, “Let’s grow tomatoes in our garden.”

(佐藤さんは「庭でトマトを育てましょう」と言いました。)

ほかにも、tell や ask を使う方法もあります。 say / tell / ask の使い分けを確認しておきましょう。

“say / tell / ask” の使い分けと例文

  • say:「〜と言う」
     → 一般的な発話。セリフをそのまま引用します。
     例:Ken said, “Let’s play soccer.”
     (ケンは「サッカーをしよう」と言いました。)
  • tell + 人:「〜に言う」
     → 相手が明確なときに使います。
     例:Yuki told her mother, “I finished my homework.”
     (ユキは母に「宿題が終わった」と言いました。)
  • ask + 人:「〜にたずねる」
     → 吹き出しが質問文のときに使います。
     例:The boy asked his father, “Can I go outside?”
     (男の子は父に「外に行ってもいい?」と聞きました。)

吹き出しが質問か発言かによって動詞を選び、セリフ部分をそのまま “ ” で囲んで話すのがポイントです。

3. 模範解答を音読して理由展開を練習

主張+理由+例の3文型をテンプレ化

英検準2級プラスの面接(No.3/4)では、「Yes/No」だけでなく自分の考えを筋道立てて話す力が重要です。最も汎用的な構成は以下の3文型です。

  1. 主張(結論):I think students should help their parents.
  2. 理由:Because they can learn responsibility.
  3. 例または追加理由:Also, their parents will be happy.

この「主張+理由+例」のテンプレートを使えば、どんな質問にも安定して対応できます。

「because」「so」「that’s why」など接続語を重点強化

理由をつなぐ語をスムーズに使えるようにしておきましょう。
よく使う接続語は次のとおりです。

  • because(〜だから)
  • so(だから〜)
  • that’s why(そのため〜)
  • also(さらに〜)
    これらを使い分けることで、短い文でも論理的な発話ができます。

4. 模擬面接で本番のテンポに慣れる

6分間を通して回答を切らさず話す練習

本番の面接では、6〜7分間を通して沈黙せずに会話を続ける集中力が求められます。タイマーを使って通し練習を行い、「音読→質問→ストーリー→意見」を本番同様に再現するのが効果的です。

「Let me think…」などで沈黙を防ぐ

考える時間がほしいときは、

  • Let me think.(ちょっと考えさせてください)
  • Well…(ええと)
  • That’s an interesting question.(面白い質問ですね)
  • I haven’t thought about it before, but maybe…(これまで考えたことはありませんが、たぶん〜だと思います。)
  • That’s a difficult question, but I’ll try.(難しい質問ですが、やってみます。)

といった「つなぎ表現」を自然に挟む練習をしておくと、本番でも落ち着いて対応できます。次のように組み合わせて使うとさらに時間を稼げます。

Well, that’s an interesting question. Let me think. I haven’t thought about it before, but maybe more people will use bicycles in the future.
(ええっと、それは面白い質問ですね。考えさせてください。これまで考えたことはありませんが、将来はもっと多くの人が自転車を使うと思います。)