指導要録の作成で困ることの1つが「総合的な学習(探求)の時間」です。
この部分はどう書けばよいか迷いがちですが、文部科学省が提供する指導要録の記入例を参考にすることで、簡潔で効果的な記入が可能です。
この記事では、文部科学省の資料に基づき、具体的な記入方法や注意点をわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「総合的な学習(探求)の時間」- 指導要録の書式と記入例
小学校・中学校・高校の順で、指導要録の書式と記入例を文部科学省の資料に沿って解説していきます。
小学校指導要録の書式と記入例
小学校指導要録では、様式2(指導に関する記録)の右側に総合的な学習の時間について評価する箇所があります。「学習活動」「観点」「評価」となっており、学年ごとに記載します。
記入例
中学校指導要録の書式と記入例
中学校の指導要録では、様式2(指導に関する記録)の右側に記入スペースがあります。学年ごとに「学習活動」「観点」「評価」の3つを記入します。
記入例
高等学校指導要録の書式
高校の指導要録では、様式2(指導に関する記録)の2ページ目上部に記入欄が用意されています。
高校の記入欄は中学校と違い、学年ごとに分かれていません。そのため、記載する際には「必要に応じて指導を行った学年(年度)を付記するなど, 各学校の実態に応じて工夫して記載すること」となっています(「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料高等学校 総合的な探究の時間 p.58)
記入例
小中高共通 記入のポイント
1. 端的に書く
総合的な学習の時間については記入欄が小さいので端的に書く必要があります。学習内容は学校や学年が設定した年間テーマで構いませんし、観点も3観点を記載するだけで十分です。
評価についても、文部科学省の提示する例は文字数が多いですが、現実的には紙面を考えるとさらに端的に書かざるを得ないでしょう。
端的すぎて不安になる方もいるかもしれませんが、文部科学省の通知でも端的に書くよう次のように指示があります。安心して端的に記載しましょう。
学習活動及び各学校が自ら定めた評価の観点を記入した上で, それらの観点のうち, 生徒の学習状況に顕著な事項がある場合などにその特徴を記入する等, 生徒にどのような力が身に付いたかを文章で端的に記述すること
(小学校, 中学校, 高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知))
2. 学習活動だけでなく、身についた力を書く
評価は単に学習活動だけを記載するのではなく、学習の結果どのような力が身についたのかまで記載する必要があります。
「学習活動及び各学校が自ら定めた評価の観点を記入した上で, それらの観点のうち, 生徒の学習状況に顕著な事項がある場合などにその特徴を記入する等, 生徒にどのような力が身に付いたかを文章で端的に記述すること」とされている。記述に当たっては, 単なる活動のみにとどまることがないよう留意する必要がある。
(「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料高等学校 総合的な探究の時間 p.57」中学校 p.54-55)
3. 評価規準以外に付け加えても構わない
生徒の様子を見て、顕著な学びがあった場合には評価規準に関わらず記載することが望ましいとされています。
評価規準にかかわらず教育的に望ましい成長や価値ある学習状況が現れた場合, 生徒の姿を価値付け, そのよさを記述することも大切なことである。
(「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料高等学校 総合的な探究の時間 p.58」中学校 p.55)
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「楽らく所見くん」については、実際に使った上で、別の記事でレビューしています。
参考資料
「「指導と評価の一体化」のための 学習評価に関する参考資料小学校 総合的な学習の時間」(PDF)
文部科学省「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料中学校 総合的な学習の時間」(PDF)