【英検】二次試験の面接で落ちる人の共通点と対処法 (3級・準2級・2級)

英検の二次試験(面接)を前に、「うまく話せるか不安」「沈黙したらどうしよう」と感じていませんか?筆記試験に合格しても、面接では思うように言葉が出てこず、あと一歩で落ちてしまう受験者もいます。

実は、英検の面接で落ちる人には共通点があります。それは英語力の問題というよりも、面接中の反応や答え方、練習の仕方に原因があるのです。

この記事では、英検3級・準2級・2級の面接で「落ちやすい人の特徴」と「合格につながる対処法」を具体的に紹介します。試験を目前に控えた今だからこそ、よくある失敗パターンを知り、事前に対策しておきましょう。

この記事の執筆者

ASAKOROKO

  • 英検1級取得
  • 英国大学院修士(TESOL/英語教授法)修了
  • 日本の大学で英語科目を担当する現職教員

長年にわたり英語教育と試験対策に携わり、英検対策授業やAIを活用したスピーキング練習支援の研究を行っています。受験生一人ひとりが自宅でも効率よく学習を進められるよう、実践的かつ科学的な学習法の紹介を心がけています。

共通点① 沈黙してしまう

英検の面接では、質問を理解しても英語がすぐに出てこないという受験者が多く見られます。数秒程度の間は問題ありませんが、長く黙ってしまうと、面接官は問題を理解できていないと判断して採点します。

対処法①
完璧な文を考えすぎない

沈黙の多くは、「正しい英語を話さなければ」という意識が強すぎることから生じます。文法的に完璧でなかったとしても、内容面で正しい回答ができていれば部分点が与えられますので、致命的な減点は避けられます。

対処法②
間をつなぐ表現を活用する

誰しも質問を聞いてすぐに答えるのは難しいものです。それはネイティブでも同じです。彼らはそういう時、必ず間を繋ぐ表現を利用します。「Well,」「Let me see,」「Uh…」「That’s a good question.」などを活用して、沈黙せず時間を稼ぎましょう。

対処法③
ふだんから英語を口に出す

これまで多くの受験生の面接練習を担当してきましたが、黙り込んでしまう人の共通点はふだんから英語を口に出していないことにあります。例えば、音読の練習を多く取り入れている人は、そうでない人に比べて話すのが上手です。試験まで期間が短い場合はアプリなどを活用して、実際に英語を口に出す回数を増やして対策しましょう。

共通点② 質問を聞き取れていないのに聞き返さない

対処法①
わからないときは素直に聞き返す

質問を聞き取れなかったときは、迷わず聞き返しましょう。聞き返すこと自体は減点にはなりません。むしろ、正確に理解してから答える方が自然で、やり取りの流れを保てます。

使える表現例

“Sorry?”
“Could you say that again?”
“Could you repeat the question?”

誤解したまま答えて的外れな回答をするよりも、一度聞き返して正確に理解してから答えるほうが高評価につながります。

対処法②
聞き取れた単語から無理に推測しない

部分的にしか聞こえなかったとき、聞き取れた単語だけを手がかりに答えてしまうと、質問の意図から外れてしまうことがあります。特に What/When/Where には細心の注意を払う必要があります。
たとえば、

  • “Where do you usually study English?”(どこで英語を勉強していますか?)を“When do you usually study English?” と聞き間違える
  • “What do you do after school?”(放課後は何をしますか?)を “Where do you go after school?” と聞き間違える

自信がない場合は、必ず聞き返すことです。1回の聞き返しは減点になりません。推測で答えるよりも、聞き返して問題を正確に理解してから答えるほうが評価を下げにくいです。

対処法③
面接練習は必ずリスニングで行う

面接練習を独学で行おうとすると、参考書の問題を読んで答えを考えるパターンが多いと思います。しかし、これではリスニング部分の練習ができません。必ず付属の音声データを活用しましょう。もしくは、アプリを活用するのも手です。アプリでは本番のように面接が進んでいくので、リスニング部分もカバーできます。

オススメは「初めてのAIスピーキング」です。AIが瞬時にフィードバックまで行なってくれるので練習効率が良いです。

共通点③ イラスト問題の描写が不足している

英検の面接では、提示されたイラストを英語で説明する問題があります。多くの受験者が戸惑うのは何を説明したら点数になるのかわからない点です。級によって説明すべき内容が異なるため、自分の級の傾向を理解しておくことが重要です。

英検3級 イラスト問題

文法の中心は、現在進行形、There is / There are、未来を表す is going to / will です。「〜は何をしていますか」という問いには現在進行形で、「何がありますか」という問いには There is / There are を使って答えましょう

What is the girl doing? — “She is reading a book.”

How many cups are on the table? — “There are two cups on the table.”

吹き出し付きのイラスト問題に対しては、「これからすること」も言えるように練習しましょう。“be going to” や “will” を使うことで、イラストの中の“次の展開”を説明できるようになります。

What is the boy going to do? — “He is going to play soccer.”

英検準2級 イラスト問題

文法の中心は、現在進行形(複数の人物の動作を整理)と「〜したいができない」「なぜなら〜」の形です。

“A boy wants to go for a walk with his dog, but he can’t because it’s stormy outside.”

“A girl wants to go outside because it’s sunny.”

“but” “because” “so”などの接続詞を使って、行動の理由や結果を説明できると評価が上がります。

英検2級 イラスト問題

文法の中心は、過去形(出来事の説明)、吹き出しの引用表現、人物の様子描写です。

Ms. Suzuki and her daughter went camping on a mountain.

Mr. Sato made a phone call and said, “I will be late for work.”

“The woman looked surprised.”

基本的に求められるのは「何が起こったのか」をストーリーとして語る力です。吹き出しの中のセリフを “He said…” “She told him…” などで引用したり、登場人物の感情・態度を “He looked worried.” のように描写できると高評価につながります。

対処法③
簡単な表現に言い換える

質問を聞いて、パッと頭に思い浮かんだ答えが必ずしも英語で言いやすい意見とは限りません。英検の面接では難しいことを答える必要はありませんので、言いやすい意見を言うようにしましょう。英検の面接は、あくまでも英語で意見を言う練習くらいの位置付けに捉えましょう。必ずしも自分の真の意見でなくても構いません。

共通点④ 自分の意見にこだわりすぎる

英検の面接では、最後の質問で「あなたはどう思いますか?」「なぜそう思いますか?」と意見を問われます。このとき、多くの受験者が難しい表現を使おうとしすぎて英語が出てこなくなるという失敗をします。

英検が評価しているのは、完璧な英語ではなく、自分の考えを英語で伝えようとする力です。大切なのは、「複雑な文」よりも「伝わる文」を目指すことです。

対処法①
難しい単語を避け、シンプルに伝える方が高評価

多くの受験者が、「難しい単語を使えば高得点になる」と誤解しています。しかし実際は、語彙よりも内容の一貫性や文の分かりやすさが重視されます。

たとえば、「environment」「society」など抽象的な言葉を思い出そうとして止まるよりも、シンプルな表現で最後まで言い切る方がはるかに印象が良いです。

❌ “In terms of the environmental impact…”(途中で止まる)

⭕️ “I think we should take care of nature.”(完結して伝わる)

対処法②
「I think」「Maybe」「In my opinion」で柔軟に表現する

意見を言うときは、定型のフレーズを使ってテンポよく話すのがポイントです。
難しい構文に挑戦するよりも、次のような簡潔な導入表現を覚えておきましょう。

  • “I think…”(私は〜と思います)
  • “Maybe…”(たぶん〜だと思います)
  • “In my opinion…”(私の意見では〜です)

これらを使えば、発話の流れを止めずに自分の考えを自然に伝えられます。
英語が出てこなくなったときの“助け舟”としても有効です。

対処法③
面接官は内容よりも「伝える姿勢」を見ている

面接官は、あなたの英語が「完璧かどうか」ではなく、相手に伝わるように話そうとしているかを見ています。少し文法ミスがあっても、自然に意見を述べていれば大きな減点にはなりません。

逆に、黙り込んでしまうと「応答ができない」と判断されてしまいます。話すことを恐れず、意思を伝える姿勢を最優先にしましょう。

対処法④
伝えたいことを短くまとめて声に出す練習をする

本番で緊張して言葉が出ない人は、普段から口に出す練習が不足していることが多いです。長い意見を英語で組み立てる必要はありません。たとえば次のように、短い意見+理由の形で練習しておくと効果的です。

意見+理由の例

“I like online lessons because they are convenient.

“I think studying English is important because we can talk with people from other countries.”

このように、1文目で意見、2文目で理由を言う構成を習慣化しておくと、どんな質問にもスムーズに答えられるようになります。

共通点⑤ 黙読と音読が早すぎる

英検の面接の冒頭では、短いパッセージを黙読し、その後で音読する課題があります。この部分でつまずく受験者に共通するのが、「速く読まなければいけない」と思い込み、意味理解が疎かになることです。

対処法①
黙読は自分のペースで行う

多くの受験者が、パッセージを全て黙読しようとしたり緊張から、無理していつもより速く目を通そうとします。しかし、極端にスピードを意識すると文字をなぞるだけの「速読」になっています。

英検の音読では読み方そのものよりも、読んだ内容を理解しているか(加えて、その後の質問に答えられるか)が評価の中心です。そのため、黙読では「文の意味を理解しながら目を通す」ようにしましょう。

最後まで黙読できないかもしれません。それでも大丈夫です。なぜ大丈夫かは次に説明します。

対処法②
音読問題を内容理解に活かす

音読は単なる発音チェックではなく、その後の質問への伏線になっています。面接官の質問は、「本文の内容」に関するものです。

つまり、音読の段階で「誰が・何を・なぜ」など文の要点を頭に入れながら読むことが、その後の応答をスムーズにします。そのためには、やたらめったに速く読む必要はないのです。

自分が理解できるスピードで読むように心がけ、黙読・音読の両方を「準備時間」として活用する意識を持ちましょう。

共通点⑥ アティチュードを軽視する

英検の面接では、英語力だけでなく、「相手と気持ちよくやり取りする姿勢」=アティチュード(態度)も重要です。どんなに正しい英語を話しても、無表情で小声だと相手に伝わりません。目線・笑顔(表情)・反応、これらがそろって初めて「自然なコミュニケーション」として評価されます。

態度が消極的だと伝わらないので、面接官とのやり取りは「会話」だと意識するようにしましょう。英検の面接はスピーチではなく、英語での双方向のやり取りです。

“Yes.”や“No.”だけで終わらず、「伝えよう」という気持ちを見せることが大切です。質問に対して “OK.” “Thanks.” “I see.” などの短い反応を加えるだけでも、会話の流れがぐっと自然になります。

対処法①
Eye Contact – 視線を合わせて話す

面接官の目を一瞬見るだけで、「この人は話を聞いている」「やり取りを楽しんでいる」と伝わります。視線を合わせ続ける必要はありません。答え始めと終わりに軽く視線を上げるだけで十分です。

対処法②
Smile – 笑顔が英語を自然にする

笑顔を意識すると、声のトーンが自然に上がり、イントネーションも柔らかくなります。緊張していても、口角を少し上げるだけで印象は大きく変わります。明るくリラックスした雰囲気が評価につながります。なにより、自分の緊張もほぐれてパフォーマンスが上がります。

共通点⑦ 面接対策を十分に行なっていない

英検の面接で失敗する大きな原因のひとつが、「練習不足」です。本番では質問のテンポが速く、準備不足のままだと英語が出てこないまま時間が過ぎてしまいます。面接は「英語の知識」よりも「練習量」で結果が変わる試験です。

それにもかかわらず、最初の音読・質問・イラスト・意見表明までの流れを、一度も通しで練習せずに臨む受験者が意外と多く見られます。

模擬面接では、実際にストップウォッチを使って時間を測り、「音読 → 質問 → イラスト → 意見」の流れを再現しましょう。時間の感覚をつかむだけで、緊張や焦りが大きく減ります。

対処法①
複数回練習して「質問パターン」と「話す型」を身につける

1回練習しただけでは、答え方の“型”が身につきません。英検では、級ごとに質問の形式や出題傾向が決まっています。何度も繰り返すうちに、

「質問を聞いたらまず意見を言う」

「理由は because でつなげる」

「最後に一文まとめる」

といった思考と発話の流れが自然に身につきます。本番では新しいことを考えるより、“いつもの型”で話す方が安定します。

対処法② AIアプリを使った模擬面接の活用
「初めてのAIスピーキング」を使えば自動でフィードバック

面接練習は、練習相手がいなくてもできます。たとえば「初めてのAIスピーキング」では、英検の形式に沿ってAIが質問し、音声を認識して自動でフィードバックを行います。自分の発話を録音し、AIが分析してくれるので、人に頼らず客観的な練習が可能です。

アプリであれば、スマートフォンやPCがあれば、いつでもどこでも練習でき、繰り返し練習することで実戦力が確実に上がります。面接前の“通勤時間”や“寝る前の10分”を活用するだけで、本番での「英語が出てこない」を防ぐことができます。

詳しくは別の記事で解説しています。ぜひご覧ください。