英検の二次試験である「面接」は多くの受験者にとって最大の山場です。一次試験で筆記やリスニングに合格しても、面接でつまずいてしまう人は少なくありません。緊張のあまり言葉が出てこなかったり、意見をうまく伝えられなかったりと、独学ではカバーしきれない課題が浮き彫りになる場面でもあります。
特に、英検3級ではイラストを説明する力、準2級では理由を添えて意見を言う力、2級では社会性のあるテーマに対応する力が求められます。級が上がるにつれて難易度は確実に上がり、正しい対策をしていなければ面接での不合格の可能性もあります。
この記事では、英検3級・準2級・2級の面接対策におすすめの教材を紹介します。特に、長年多くの受験者に支持されてきた旺文社の面接対策本と、実際にAI相手に模擬面接ができる「初めてのAIスピーキング」アプリを取り上げ、それぞれの特徴と効果的な使い方を詳しく解説します。これらを組み合わせることで、「知識」と「実践力」の両面から合格に近づくことができるでしょう。
英検面接対策に本・問題集やアプリが必要な理由

面接は合格の分かれ道
一次試験はマークシート方式で、自分のペースで落ち着いて解答することができます。しかし、二次試験の面接は「人と対面」してやり取りをするため、その場で即答しなければなりません。形式が全く異なるため、一次試験では高得点でも本番の面接で想定外に緊張してしまい、言葉が出てこないことがあります。
また、面接会場の雰囲気もプレッシャー要因です。面接官を前に座り、限られた時間で答えなければならない状況では、普段は言えるフレーズが頭から飛ぶことも。だからこそ、「緊張しても口が動く」レベルまで繰り返し練習することが合格のカギになります。
級が上がるごとに求められる力が変化する
3級:イラスト描写/基本的なQ&A → 準2級:Yes/No+理由の2文構成 → 2級:社会的・抽象的テーマへの意見表明という具合に、要求スキルが段階的に上がります。単語・表現が不足すると答えが単調になり、評価が伸びません。
早い段階から「言い換え表現」「理由づけの型」「意見の骨組み(主張→理由→例)」を身につけると、どの級でも安定した得点に繋がります。
独学では練習環境を整えにくい
参考書や単語暗記だけでは、面接で必要な発話の瞬発力・即答力が鍛えにくいのが実情。評価は内容だけでなく、発音・イントネーション・自然なやり取りも含みます。書いて理解したことを口で出す訓練が不可欠です。
とはいえ、家庭や学校で常に面接官役を確保するのは現実的ではありません。そこで、書籍だけでなく、アプリで模擬面接を反復することが、時間対効果の高い戦略になります。
独学での効率的な学習法
時間制限を意識して練習する
本文黙読(約20秒)→質問応答(30〜60秒目安)など、各パートには時間感覚があります。タイマーを使って「言い切る」練習を日課にすると、答えの構成力と落ち着きが向上します。
録音・録画して振り返る
録音・録画で「間が長すぎる/声が小さい/同じ表現の連発」などの癖が可視化されます。自動文字化→自己添削まで行うと改善速度が上がります。
模擬面接を繰り返す
本番形式の反復が最短ルート。面接官役がいなくても、AIアプリで擬似的な対面と時間制限を再現できます。知識(本)×実践(アプリ)の二本立てで合格力を底上げしましょう。
書籍なら旺文社の面接対策本だけあればOK!

旺文社の『面接 完全予想問題』シリーズは、3級・準2級・2級で基本構成が揃っており、どの級でも使い方の軸は共通です。
このシリーズの共通メリット
- 本番形式をそのまま再現:音読→イラスト描写→Q&Aを一連で練習
- 採点観点に沿った解説:「なぜ高得点か」が理解でき、自己採点しやすい
- 音声データ対応:ナレーション追従やシャドーイングで音声面も強化
効果的な使い方:挑戦→フィードバック→再挑戦の学習サイクル
英検の面接対策本は、読むだけでは力になりません。最も効果的なのは、実際に声に出して挑戦し、自分で振り返り、もう一度やり直すことです。
英検の面接対策で効果を出すには、問題を「覚える」よりも、実際に使ってみて直すことが大切です。これは英語教育の考え方である TBLT(Task-Based Language Teaching/課題基盤型教授法) にも通じています。
TBLTとは、簡単に言えば「タスク(課題)を通して言葉を使う練習を重ねる」学び方です。英検の面接もまさにタスクの一種。質問に答える・理由を言う・意見を述べるという一連の流れ自体が、学習の素材になります。
だからこそ、模範解答を暗記するより、「挑戦 → フィードバック → 再挑戦」の流れを回すことが大切です。話して、直して、もう一度話す。この繰り返しの中で、言葉が自然に整理され、反射的に英語が出てくるようになります。
Step1:まずは“挑戦”してみる
最初にやるべきことは、完璧を目指さず、いきなり声に出して答えてみることです。
問題を読んだら、模範解答は一旦閉じて、自分の言葉で答えます。たとえ途中で止まっても構いません。重要なのは、「自分が何を言えないのか」を知ることです。
多くの受験者は、模範解答を見てから答えようとしますが、それでは“自分の課題”が見えません。まずは、頭の中に浮かぶ英語をそのまま声に出し、「言えたこと」「言えなかったこと」を体感しましょう。
Step2:自分の答えを振り返る
次に、自分の発話を振り返る時間を取りましょう。発音や流暢さよりも、「伝えたい内容が整理されていたか」「理由を言えたか」「最後まで言い切れたか」に注目します。
このとき、模範解答と自分の答えを比べると、自分の弱点がはっきり見えます。たとえば、
- 理由を1つしか言えなかった
- 言い出しのフレーズが出てこなかった
- 同じ単語を何度も繰り返していた
など、小さな気づきで構いません。大切なのは、「自分がどこで止まったか」を具体的に言語化することです。もし可能なら、自分の声を録音しておくと、次の練習の指針がより明確になります。
Step3:もう一度、少し変えて“再挑戦”する
振り返りを終えたら、同じ問題をもう一度声に出して答えます。ただし、今度は最初よりも「言い換え」や「理由の追加」を意識しましょう。
たとえば、初回では
Yes, because it’s convenient.
しか言えなかったとします。再挑戦では、次のように少しだけ広げてみます。
Yes, because it’s convenient and easy to carry around.
このように、小さな改善を積み重ねることが最も重要です。新しい単語を覚える必要はありません。自分の言葉を少しずつ豊かにしていく感覚でOKです。
同じ問題を2〜3回繰り返すうちに、言葉が自然と口から出るようになります。この「少しずつ良くなる実感」が、学習のモチベーションを支える最大の要素です。
アプリおすすめは「初めてのAIスピーキング」!!
挑戦→フィードバック→再挑戦を“自動化”できる

「初めてのAIスピーキング」は、英検の面接練習を「挑戦→フィードバック→再挑戦」という理想的な学習サイクルで回せるアプリです。本で行っていた練習の流れを、AIが自動でサポートしてくれるので、準備も面倒な設定も不要ですし、間違いの訂正機能もついています。1日10分あれば、本番さながらの面接練習ができます。
アプリでできること
- 挑戦:面接官役AIが質問を出題。音読→イラスト→Q&Aを本番通りに通し練習。
- フィードバック:発話を自動で文字化し、文法・語彙・内容面をその場で分析。
- 再挑戦:同じテーマに再チャレンジ。直したい箇所をすぐ確認して改善。
この3ステップが、アプリの中でシームレスにつながっています。録音・採点・復習の段取りを自分で整える必要がなく、AIが自動的に練習の流れをつくってくれます。
“挑戦→フィードバック→再挑戦”で力が伸びる理由
まずは挑戦。完璧でなくて構いません。とにかく声に出して最後まで答えきることが大切です。次に、AIが自動生成した文字データを見ながら、言い回し・語彙・理由の数などを確認。どこで詰まったか、どこを言い換えたいかがすぐにわかります。
そして再挑戦。たった5分で同じ質問にもう一度答えると、前回よりスムーズに話せる自分に気づきます。この「少しずつ良くなる」感覚が、スピーキング力を確実に押し上げるのです。
3級/準2級/2級に対応:本番同様の出題とタイム管理で練習できる
「初めてのAIスピーキング」は、英検3級・準2級・2級の面接形式に完全対応。
AIが面接官役として本番さながらの流れで出題します。
- 問題の自動読み上げ:ナレーター音声で質問が流れるため、リスニングの実践練習にも最適。
- 20秒の音読カウントダウン:英検本番と同じ黙読時間を自動で計測。画面にタイマーが表示され、時間感覚を自然に身につけられます。
- 音読→イラスト描写→Q&Aの一連の流れを、アプリが完全再現。
- 回答時間も自動管理:60秒で次の質問に進むため、本番のテンポに慣れる練習が可能。
このように、問題を開いた瞬間から「本番モード」で練習できるため、時間をかけずに実戦感覚を養えます。特に、リスニングと発話を一体化させた練習は、参考書だけでは再現できない大きな強みです。
短期間で仕上げるコツ:とにかく“量をこなす”ことに集中
一次試験の結果が出てから面接までの期間は、わずか1〜2週間しかありません。時間が限られている中で合格レベルに仕上げるには「量が大事」です。とにかく回数をこなすことが最重要です。
「初めてのAIスピーキング」なら、スマホやPCで1回10分程度の面接練習をすぐ始められます。空いた時間に1セットずつ取り組み、1日3〜5回転を目安に繰り返すことで、短期間でも“口が慣れる”状態を作ることができます。
- 1周目:質問の流れと形式を把握。本番のペースを体で覚える。
- 2周目:回答の構成を安定させ、理由や例を1つずつ追加。
- 3周目以降:言い換えや自然な表現を増やし、「沈黙しない回答」を目指す。
AIが全ての回答を自動で文字化し、文法・語彙・構成の改善点を指摘してくれるので、1回1回の練習が確実に次に生かせます。これを毎日繰り返すことで、短期間でも「頭で考えずに口が動く」レベルまで仕上げることを目指します。
試験までの残り日数にもよりますが、特におすすめは、1回10分×3セット=約30分を目安に、朝・帰宅後・寝る前などに分けて取り組む方法です。短時間でも数をこなせば、自然と英語の反応速度が上がり、面接本番の緊張にも強くなります。
限られた時間で合格をつかむ鍵は、「考えるより話す」「迷うより回す」こと。アプリで何周も繰り返し、本番前には自分でも驚くほどスムーズに答えられるようになります。
アプリについては別記事で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 書籍とアプリ、どちらを先にやるべき?
最短で合格したいなら、アプリから始めるのが正解です。理由はシンプルで、アプリなら最初から“挑戦→フィードバック→再挑戦”の流れが自動化されているからです。
旺文社の書籍で型や採点基準を理解したあと、アプリで何度も通し練習をすればベストですが、最初に迷う時間を省くならアプリが圧倒的に効率的です。
AIが質問を出し、回答を文字化して、文法・語彙・表現まで自動でチェックしてくれるので、独学でも正しい方向に修正しながら進めます。
Q. 時間がない場合の最小構成は?
「アプリ1日3セット」だけでOK。時間がないときほど、頭で考えるより量を回すことが大切です。
アプリなら、1セット10分で本番フローを1回転できます。AIが自動で時間を計り、フィードバックまで完了。「今日は3回挑戦」「明日は昨日より1文多く話す」といった小さな目標を積み上げれば、2〜3週間でも面接力が大きく伸びます。
書籍は確認用として、面接の流れや解答の型を週に1〜2回見直す程度で十分。短期間で本番に強くなるには、アプリで“口を動かす回数”を最大化することが最短ルートです。
Q. アプリだけでも合格に近づきますか?
はい、十分可能です。実際の面接に近い出題形式・時間管理・自動フィードバックがすべて揃っているため、1人でも本番さながらの練習環境が作れます。
AIがあなたの発話を文字化し、間違いを即座に指摘→正しい表現を提案→次の挑戦で修正というサイクルができるため、練習効率は従来の何倍にも上がります。英語を「使いながら直していく」練習が短期間で成果を出す理由です。
合格までの最短ルートを目指すなら、アプリ一択。スマホでもPCでも使えて、練習からフィードバックまで完全自動化。独学でも“誰かに教えてもらっているような練習体験”ができます。
使い方や料金は別記事で詳しく解説しています。
ASAKOROKO
長年にわたり英語教育と試験対策に携わり、英検対策授業やAIを活用したスピーキング練習支援の研究を行っています。受験生一人ひとりが自宅でも効率よく学習を進められるよう、実践的かつ科学的な学習法の紹介を心がけています。