【2024】英語教育オンラインセミナー10選! 教員研修・ワークショップのおすすめを紹介!

英検1級、英国修士(TESOL/英語教授法)の ASAKOROKO です。

英語教師としてスキルアップのために研修は欠かせません。どのような研修があるのか、どの研修に参加すれば自分の求めている知識が手に入るのか気になるところです。

研修は、日程や開催地もポイントです。どんなに良い研修でも、参加できなくては意味がありません。オンライン研修は参加しやすいので、忙しい先生や遠隔地にいる方にもおすすめです。好きな時に受講できるタイプの研修もあります。

この記事では、英語教育のトレンド、研修選びのポイントから、英語教師として絶対に外せないセミナーまでしっかり解説していきます。

この記事の執筆者(ASAKOROKO)
英国レスター大学よりTESOL(英語教授法)の修士号を取得。TESOLは資格も保有。現役英語教師、教員向け研修の講師も担当。英検1級。多くの研修に参加した経験から、実り多い研修にするためのポイントを解説します。

英語教員向け研修・セミナー10選
1. Udemyの授業づくり講座
2. アメリカ大使館 American Center Japan
3. Cambridge English Assessment
4. Certificate/Diploma in TESOL
5. British Council
6. Temple University, Japan Campus: Distinguished Lecturer Series
7. JALT International Conference
8. 神田外語 英語教育公開講座
9. 関西学院大学 英語教員のための夏季英語セミナー
10. 春・夏・冬休み期間開催の短期集中実践指導法セミナー(ELEC)

英語教師向け研修・セミナー カレンダー

*関西学院大学の講座は対面のみの実施。そのほかはオンライン対応。

英語教育の重要性 ~英語教育の現状とトレンド~

英語教育は、グローバル化が進む現代社会でますます重要になっています。英語は国際的なコミュニケーションの主要言語であり、ビジネスや学術、文化交流に欠かせません。

近年では、自動翻訳やAIも発達していますが、機械的な翻訳になり伝えたいニュアンスが伝えづらい、日常会話や雑談のようにテンポが求められるシーンでは、ツールが使えないといったデメリットがあり、英語習得の必要性は依然として高いままです。

文部科学省では、生徒の英語力について、中学校卒業段階で CEFR A1レベル(英検3級)相当以上、高等学校卒業段階で CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を達成した中高生の割合を2027年度までに6割まで増加させるとしています。

なお、現状 2023年に行われた英語教育実施状況調査では、中学校3学年で CEFR A1 レベル以上の生徒は50.0%、高校生でCEFR A2 レベル以上の生徒は50.6%、普通科のみでは64.2%と着実に向上しています(参考:文部科学省「令和5年度『英語教育実施状況調査』概要」

文部科学省「令和5年度『英語教育実施状況調査』概要」

英語教育の課題 ~地域間格差と発信技能~

生徒の英語力が上昇している一方で、課題も多くあります。中学校では地域間格差が問題となっています。福井県やさいたま市のようにCEFR A1レベルの達成率が80%を超える自治体がある一方で、依然として40%に満たない地域もあります。

全国学力調査にまで目を向けると、「書くこと」と「話すこと」の発信技能に課題があることが依然として指摘されています。特に社会的な話題について自分の考えや理由を表現したりすることに課題があり、書くことでは正答率が20%(無解答率28%)、話すことでは正答率が4% (無解答率18%)の問題もありました。(参考:文部科学省「令和5年度 全国学力・学習状況調査の結果」

高校では、CEFR A2 レベルの生徒は増えているものの、CEFR B1 レベルの生徒は、2022年度で21.2%、2023年度で19.8%と減少に転じていることが指摘されています。また、中学校同様に地域格差が指摘されており、改善に向けて取り組む必要があると述べられています。

授業改善・教員研修の効果

横浜国立大学の研究グループが全国学力調査と英語教育実施状況調査結果の関連を分析したところ、英語での言語活動が多いほど、また、担当教師の英語による発話が多いほど、生徒の英語力が高いことがわかりました(参考:横浜国立大学「令和 5 年度『学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究』」

同様の指摘は、令和5年度の英語教育実施調査でもなされており、生徒の英語力の向上には、生徒の英語による言語活動、教師の英語使用・英語力、ALTとの授業外活動等が影響していると述べられています。

文部科学省:令和5年度「英語教育実施状況調査」概要

このように、生徒の英語力と授業には密接な関係があり、私たち英語科教員の授業づくり、授業改善が大きな役割を占めています。

その一方で、多忙を極める教員が研修に参加するのは依然として困難な課題となっています。特に、地方や僻地で働く教員にとって、都市部で開催されるセミナーやワークショップに参加するための時間や費用の確保は大きな負担です。

そこで注目を集めているのが、勤務地に関係なく参加できるオンラインでの研修です。ここでは、オンライン研修を選ぶ際のポイントを3つ解説していきます。

オンラインセミナーの選び方

どんな優れた研修でも参加できなければ意味がありません。その点、オンラインであれば場所を気にせず、移動にも時間を取られないので参加しやすいです。

研修の質はオンラインでも対面でも、変わらないことが多いです。研究発表や実践報告のようなプレゼンテーションはもちろんですが、ワークショップ形式の場合でも、主催者側はオンラインでも効率よく学べるよう配慮しています。

私自身、オンラインでワークショップにも参加しています。グループワークでは各グループにファシリテーターが配置されていたり、学びやすいと感じることも多かったです。

オンラインセミナーを選ぶ際のポイントは、次の3つです。

  1. オンライン研修の種類を理解する
  2. 英語教育の課題やトレンドを理解する
  3. 複数の研修を受講する

① オンライン研修の種類を理解する

オンライン研修には、事前に収録された講義を受ける形式とウェビナーやディスカッションを通じてリアルタイムに学ぶ形式があります。

事前に収録された講義を受ける形式では、いつでも好きな時に参加者のペースで参加できます。また、学習量が確保されており、体型的なカリキュラムを通じて学びを深めることができるというメリットがあります。

リアルタイムに参加する形式のセミナーでは、参加者同士の交流が可能である場合も多いです。講師だけでなく、他の教員から学ぶことも可能です。その一方で、時間を合わせる必要がある点には注意が必要です。

② 英語教育の課題やトレンドを理解する

英語教育は常に進化を重ねており、知識や指導観のアップデートは欠かせません。時代の流れとともに、生徒の特徴や英語力も変容し、課題も変化しています。

文部科学省の資料等を参考に、今課題となっていることは何か、問題解決のためにはどのような指導が求められているのかを把握し、取り組み続ける姿勢が大切です。

また、生成AIをはじめ利用可能なテクノロジーも進化し続けています。教育効果を最大化するための最新の手法やツールにも着目しつつ、最善の指導方法を模索していきましょう。

③ 複数の研修を受講する

研修のテーマが絞り込めたら、参加する研修を決めるわけですが、ポイントは複数の研修を受講することです。どんなに優れた研究会であっても、1つの研修で全ての疑問や悩みが解決するのは稀です。

問題に対するアプローチは無数にあります。同じようなテーマでも、環境や指導者によって取り組み方は様々です。

課題解決の糸口が見つからない時は、理論と実践を横断するように研修の予定を組むのもおすすめです。

英語教師としては実践的なセミナーに目が行きがちですが、長い目で見ると指導理論や指導観のアップデートも必要です。

私自身は、イギリスの大学院で異文化コミュニケーションについて学びを深めたことで、指導観に変化がありました。

コミュニケーションを情報のやり取りだけでなく、人間関係を築くという視点から捉えることが多くなり、指導にも変化が現れています。

英語教員向け研修・セミナー10選

1. Udemyの授業づくり講座

Udemy(ユーデミー)は、200,000以上の講座があるオンライン学習プラットフォームです。実務家による講座が多いのが特徴です。

現場の教師目線で実践的な研修が受けられる

Udemyの授業づくり講座は、他の研修に比べ実務に直結する内容になっています。

講座では、導入から文法指導までデモレッスン付きで丁寧に解説されています。授業で使うアクティビティについては難易度調節の方法もレクチャーしてくれています。

Chat GPTで授業の質を高めたり、授業準備や考査作成を短縮する方法にも触れられています。

自分の都合に合わせて受講できる

Udemyの授業づくり講座は、自分の都合に合わせて、自分のペースで受講していくことができます。

業務が忙しく、まとまった時間を取りづらい先生でも、スキマ時間に少しずつ学習していくことが可能です。

すぐにでも授業を改善していきたい先生にオススメです。特典PDF「英語教師向けChat GPT活用術ベスト30」付きです。

▼Udemy 授業づくり講座! 授業の流れを完全マスター!

2. アメリカ大使館 American Center Japan

アメリカン・センターは、米国国務省による公的な機関です。米国文化の発信だけでなく、日本の英語教師向けに英語教授法の研修プログラムを無料提供しています。

体系的な学習が可能

アメリカ大使館主催の研修プログラムでは、体系的な学習が可能です。研修時間がしっかりと確保されているのが特徴で、2022年までは2日間、2023年はオンラインで4週間(20時間)でした。

私が受講した時は、文法や語彙、4技能の指導を網羅するようにカリキュラムが組まれており、充実した研修でした。今でもライティング指導をする時は、講座で学んだ “Mind the GAP(GAPに注意)”を意識しています。

GAPは、 Genre(ジャンル)、Audience(読み手)、Purpose(目的)の頭文字です。ライティングでは、これら3つの要素によって書き方が変わります。課題に3つの要素を含めることで、よりオーセンティックなライティングへと近づきます。

実施時期と申し込み方法

研修プログラムは、例年7月〜8月頃に実施されています。費用はアメリカ大使館が負担してくれるため、無料です。

研修の案内は例年6月上旬に国際教養大学のホームページに掲載されます。中高の先生だけでなく、小学校の先生を対象としたプログラムもあり、非常に人気です。

選考にもれてしまっても、毎年行われていますので、めげずに申し込み続けましょう。参考までに昨年度までの資料URLを添えておきます。

中高英語教員のための英語指導法・スキルアップ研修2023(国際教養大学ホームページ)

英語指導法スキルアップ集中セミナー2022詳細 PDF

3. Cambridge English Assessment

Cambridge English Assessment(ケンブリッジ大学英語検定機構)は、CEFRの開発にも初期から携わっている世界的な語学機関です。専門的な研修が提供されています。

Cambridge CELTA

CELTAは、ケンブリッジ大学英語検定機構認定の英語指導資格です。国際的に非常に高い評価を受けています。2020年からは、100%オンラインで取得できるようになりました。平日夜や休日を利用して働きながらの取得も可能です。

Teacher Development Online Courses

ケンブリッジ大学英語検定機構では、セルフ・スタディ形式のオンラインコースも提供しています。日本の英語教師のみを対象にしたコースではないので、必ずしも全てをそのまま実践することはできない点には注意が必要ですが、実践的なコミュニケーション力を高める授業がしたい先生にはオススメです。

Teacher Development Online Courses(Cambridge公式ページ)

4. Certificate/Diploma in TESOL

Certificate/Diploma は、TESOLの国際的な資格です。120~160時間程度の学習があり、CELTAと同様に英語指導を本格的に学びたい方向けの研修です。

私自身も取得しており、実践的な指導力が高まりました。自分の知識を世界的なスタンダードで確認することもできましたし、取得後はネイティブスピーカーをはじめ周囲からの見られ方も変わったと感じました。

DiplomaはCELTAと同じ英国資格枠組みレベル5認証でありながら、取得費用を230~300ドルに抑えることができるメリットもあります。

費用を抑えつつ、指導者としての自信も付くので、本当にオススメです!

5. British Council

ブリティッシュ・カウンシルは、英国の公的な国際文化交流機関です。先行研究(エビデンス)に基づく効果的な指導法が学べる研修を対面とオンラインで提供しています。

対面研修(東京)

ブリティッシュ・カウンシルの対面研修は、東京(飯田橋)にあるオフィスで行われています。研修はワークショップ形式で、ほとんど毎月なにかしらの研修が行われています。

英語教員研修(British Council公式ページ)

オンライン研修

オンラインでは、ペアワークを用いたスピーキング指導の基本が学べます。指導例はタイの学校ですが、日本の学校と指導環境が似ているので参考にしやすいです。

Teaching Speaking(British Council公式ページ)

6. Temple University, Japan Campus: Distinguished Lecturer Series

テンプル大学日本キャンパスは、特別講義シリーズを毎週末提供しています。国際的に著名なTESOLや応用言語学者による講義に参加できます。

修士・博士課程レベルの授業に参加

特別講義シリーズは、修士・博士課程の単位としても認められるクオリティーがあり、ネイティブ・スピーカーの先生方の中では、かなり評判です。

講義は、毎週末3時間のセッションがあり、4週間続きます。初回のセッションのみ無料公開されますが、継続して受講する場合は13,000円かかります。

研修名Distinguished Lecturer Series
対象どなたでも
形式対面・オンライン
会場大阪・東京
言語英語
時期通年
研修時間3時間x4週間
費用13,000円
WebTUJ 特別講義シリーズ

7. JALT International Conference

JALT(Japan Association for Language Teaching/全国語学教育学会)は、外国語教育に関する学会です。専門的に学びを深めたい方向けです。

豊富な発表、実践と研究の両面からアプローチ

JALTは発表者の数が多く、興味関心のある講座が必ず見つかります。私も参加していますが、学会という形式でありながら、実践的な発表が非常に多いのが特徴です。

経験だけでなく、学術的な議論と結びつけて考えていきたい方におすすめです。コースワークとして教えてもらうより、自分自身で考えていきたい方にも向いています。

開催時期と申し込み方法

国際会議は例年11月に開催されています。開催場所は東京・静岡・名古屋のことが多いですが、それ以外の都市で開催される場合もあります。2023年は筑波でした。2024年は静岡の予定です。

一部セミナーはオンラインにも対応しています。申し込みは直前まで可能ですが、約1ヶ月前までに申し込むと割引が適用されます。

研修名JALT International Conference
対象どなたでも
形式対面・オンライン
会場持ち回り
言語英語
時期11月
費用18,000円(一般・オンライン・早期申込)
WebJALT International Conference

8. 神田外語 英語教育公開講座

神田外語グループによるオンライン(Zoom)での研修です。複数講座が用意されており、興味のある講座を選んで受講することができます。大学と中高の教員が入り混じって講義を行なっていますが、どれも実践的な内容です。

研修名英語教育公開講座
対象小学校・中学校・高等学校の先生方
教職を志す学生
英語教育関係者、英語教育に関心のある方等
会場オンライン(Zoom)
言語英語・日本語
時期7月末
研修時間各講座 約2時間
費用各講座 2,000円
Web神田外語 英語教育公開講座

9. 関西学院大学 英語教員のための夏季英語セミナー

関西学院大学 言語教育研究センターが8月上旬に提供しているセミナーで、英語を母国語とする同大学の教員によって実施されています。

4日間の集中プログラムで、模擬授業なども取り入れながら、4技能の英語運用能力養成を図ります。申し込みは例年7月です。

研修名英語教員のための夏季英語セミナー
対象中高英語教員
会場関西学院大学
言語英語
時期8月
研修時間4時間30分x4日間
費用21,000円
Web関西学院大学 英語教員のための夏季英語セミナー

10. 春・夏・冬休み期間開催の短期集中実践指導法セミナー(ELEC)

英語教育協議会ELECでは、毎年3月・8月・12月に短期セミナーを開催しています。対面とオンラインの両方に対応しています。

理論より実践的なセミナーが多いのが特徴で、講師は大学と中高の先生が入り混じっています。他校でどのような指導が行われているのか知りたい方向けです。

研修名短期集中実践指導法セミナー
対象中高英語教員・英語教員に携わる方
形式対面・オンライン
会場東京
言語日本語
時期3月・8月・12月
研修時間終日
費用約1万円(1コース)
WebELEC英語教育研修会

オンラインで今すぐ学べる授業づくり講座

授業づくりの基本や効果的なスピーキング指導の方法、Chat GPTで授業準備や考査作成を短縮する方法を解説した講座です。

授業づくりに関する悩みを一緒に解決していきましょう!