英検1級・英国修士(TESOL/英語教授法)、現役英語教師のASAKOROKOです。
社会人をしていると仕事が忙しく、留学もできない。TESOLは身につけられない。そう思っていませんか?
私もかつてはそう思っていましたが、実際にはそんなことありません。
TESOLは、資格も大学院も、スクーリングなしで、日本で働きながら、100%オンラインで学ぶことができます。
実際、私自身もTESOLの資格と修士号は、日本で社会人として働きながら取得しているので、詳しく解説していきます。
日本で働きながらでもTESOLは身につけられる
TESOLの資格や学位は、ほとんどがオンラインでも取得できます。
英語指導未経験でも学べるコースから、現役教師を対象とした大学院まで、幅広い選択肢がオンラインでも用意されています。
プログラムの中には、スクーリングといって通学が求められるものもありますが、100%オンラインで完結させることも可能です。
TESOLの資格取得コースは、一般的に120〜180時間の学習量があり、期間は3~6ヶ月です。基本的にスクーリングはありません。
資格コースは、いつでもスタートでき、自分のペースで進められるのも特徴です。本業が忙しい時は学習量を減らし、休日にまとめて学習することも可能です。
TESOLを学んでいる多くの社会人が、働きながら学べる通信講座(オンラインコース)を利用しています。
日本で働きながらTESOLを学ぶコツ
①実力に合ったコースを選ぶ
日本からでも学べるTESOLのオンライン講座は、入門レベルのコースから、現役教師を対象とした修士課程、博士課程まで様々です。
働きながら学ぶ場合、実力に合ったコース選びが大切です。学習時間が限られるので、実力以上のコースを選ぶのはオススメしません。
英語教師として指導経験がある場合でも、入門コースからの学習がおすすめです。入門コースでも120時間はあるので、働きながら、英語で学習するスタイルが自分に合っているのか、判断するきっかけになります。
修士号は、入門コースで満足できず、もっと深く掘り下げたいと思ってからでも遅くありません。それくらい修士課程は大変です!
修士号も通信で取得する場合は、通信課程で資格を取得できた実績はアピール材料になりますし、通信講座の先生に推薦状を依頼することも可能になります。
②学習可能期間が長めのコースを選ぶ
忙しい社会人には、学習可能な期間が長く、フレキシブルに対応ができるスクールを選ぶのがオススメです。
TESOLの通信講座は、自分のペースで学習できますが、学習が可能な期間が決まっています。通常は、3~6ヶ月以内に修了する必要があります。
120時間コースの場合、学習期間が3ヶ月のプログラムを選んでしまうと、1日あたり約1時間30分の学習が必要になります。学習期間が6ヶ月のコースであれば、1日あたり40分程度の学習量です。
今後のスケジュールと相談しながら、現実的に時間の捻出が可能なのか考えましょう。スクールによっては、学習期間の延長が可能な場合もあります。コース選びの段階で考慮に入れるのがおすすめです。
③力を抜くポイントを覚える
オンラインコースでありがちな失敗は、コース前半からすべての課題に全力投球してしまい、後半でバテてしまうケースです。
オンラインコースの課題は、大きく以下の4つに分けられます。
- 成績が付くレポートやテスト
- 点数は付かず、提出だけすれば良い課題
- 提出せず、自分で取り組む課題
- リーディング課題
成績に関わる課題は全力投球すべきですが、そうでない課題は力を抜いて楽しんだり、場合によっては読み流すのも手です。
スケジュールや体力と相談しながら、ペース配分をつかんでいきましょう。
TESOL資格を働きながら日本で取得した話
私自身、オンラインでTESOLの資格を取得しているので、その時の様子について、まとめていきます。学習例として、参考になれば幸いです。
参加したコースの概要
私が参加したコースの概要は、以下の通りです。
プログラムの内容 | |
---|---|
概要 | 150時間・オンライン(実地授業なし) |
期間 | 3〜6ヶ月(最長1年) |
費用 | 約6万円 |
学習スタイル | テキスト+課題提出 |
テキスト | 約200ページ、全て英語 |
コース内容 | 英語のしくみ(文法・発音) 英語学習と指導(基本原則・4技能の指導・授業づくり) |
課題 | 英文法/発音問題, 指導案, 英文エッセイ |
余談ですが、何も知らず日本の代理店を通してしまったので、非常に高額になってしまいました…。
日本の代理店を通さず、直接申し込めば、150ドル前後まで安くなりますよ。詳しくは、別の記事で解説しています。
学習スケジュール
私が受講した150時間コースは、10モジュールに分割されていました。モジュールの最後に課題があり、毎回チューターに提出するスタイルでした。
1モジュールあたり、学習時間は15時間です。6ヶ月で修了する予定でしたので、2週間かけて1つのモジュールを学習していきました。
わかりやすいように図にすると、こんな感じです。
ちなみに課題には、次のようなものがありました。
- 時制の例文を2つ書きなさい(現在形、現在進行形、過去形、過去進行形、現在完了形…)
- 英文記事を見つけ、リーディング問題を作成しなさい。
- 教室での語彙学習は、どうすればもっと興味深く、効果的になると思いますか。あなたの考えを500-750語程度で述べなさい。
実際には、モジュールの最後には、こうした課題が複数出題されたので、それなりに時間がかかりました。
TESOLを働きながら学ぶのに、おすすめのコース
TESOLのオンラインコースは、様々な団体が提供しています。わかりやすいように、代表的なスクールを表にまとめました。
運営 | TEFL Academy | Premier TEFL | myTEFL | ITTI | INTESOL | Cambridge CELTA |
---|---|---|---|---|---|---|
コース | 120時間/ 168時間 | 120時間/ 180時間 | 120時間/ 140時間 | 120時間/ 170時間 | 150時間/ 180時間 | 120時間のコースワーク+120時間の予復習 |
期間 | ~6ヶ月 | ~6ヶ月 | ~3ヶ月 | 不明 | ~12ヶ月/ 15ヶ月 | 13週間 |
価格 | 129ドル/ 210ドル | 120ドル/ 320ドル | 150ドル/ 175ドル | 249ドル/ 289ドル | 49,800~78,800円(税込) | 265,000円 |
信頼性 | 英国政府資格単位枠組みレベル3/5(Ofqual) 米国政府団体承認(DEAC) | 外部団体による承認/ 英国政府資格単位枠組みレベル5(Ofqual) | 外部団体による承認 | 外部団体による承認 | 英国政府資格単位枠組みレベル4(ALAP) | 英国政府資格単位枠組みレベル5(Ofqual) ケンブリッジ英語機構認定 |
申し込み要件 | CEFR C1 英検1級以上 | 英検2級程度/ 英検1級程度 | なし | ネイティブスピーカーもしくは同等の英語力 | IELTS 6.0, 英検1級以上 | CEFR C1+ 英検1級以上 |
特典 | 児童英語指導, ビジネス英語指導, オンライン指導コースの無料受講 | 児童英語指導コースの無料受講 | オンライン図書館へのアクセス | チューターサポート (339ドル/369ドル) | 製本テキスト購入可(別途4,200円) | 少人数指導 |
オンラインコースの選び方は、別の記事で詳しく解説しています。
申し込みの前に、ご一読いただくのをおすすめします。
TESOLの大学院を働きながら修了した話
TESOLの修士号もオンラインで取得しているので、気になる方のために、その時の体験もまとめておきます。
参加したプログラムの概要
私が参加したプログラムの概要は、以下の通りです。
プログラムの内容 | |
---|---|
概要 | M.A.(オンライン・Part-Time) |
期間 | 2年6ヶ月 |
費用 | 約130万円 |
形式 | 2学期制 |
コース内容 | 言語学習/言語指導 文法/発音 社会言語学/談話分析 選択科目x2 修士論文 |
レポート | 英文3,000字 |
修士論文 | 英文12,000字 |
学習スケジュール
私はイギリスの大学院が提供するプログラムに通っていたので、学期制でした。一般的な日本の小学校や中学校、高校と同じイメージです。
2学期制で、4月~8月が前期、10月~2月が後期でした。9月と3月は長期休暇です。プログラムは2年半でしたが、最初の2年間はコースワーク、最後の半年は修士論文の執筆でした。
最後の半年以外は、各学期で2つのクラスを履修しています。
コースの内訳
コースでは、授業資料を読み込み、ディスカッションを経験し、最終レポートに向けてリーディングをしていく流れでした。
授業資料は100~150ページほど、ディスカッションには掲示板を利用しましたが、議論の内容を500文字でまとめ、提出しました。コース中に2回ありました。
レポートは3000字でした。事前にアウトラインを提出し、チューターの助言を受けながら仕上げる流れです。授業資料だけでは足りないので、リーディングリストを参考に、専門書や論文をひたすら読み込みます。
図にすると、こんな感じです。
実際には、コースが2つあるので、学習量としては、2倍になります。
1週間あたりの学習量は、10~15時間程度です。1ヶ月あたり40~60時間です。毎日残業して、休日出勤していると思えば…。
働きながら修士号の取得はおすすめ?
正直、誰にでもオススメのできるものでは、ありません。かなりハードです。
研究者を目指す場合は、研究手法が身につかなければ意味がないかもしれません。研究中心のプログラムを選ぶのはもちろんですが、対面の指導がなくても求める研究手法を身につけられるのか、よく考えておきましょう。
実務家としてスキルアップを目指す場合は、CELTAなどの資格もおすすめです。