実は、英検1級・英国修士(TESOL/英語教授法)、現役英語教師のASAKOROKOです。
この記事では、小学校・中学校・高校の英語科教員にオススメの書籍を5〜7冊ずつ、さらに英語教授法(TESOL)の専門書を紹介していきます。
選定の規準は、現場の先生の悩みや課題が解決でき、新学習指導要領にも対応できることです。
中学校・高校の先生には、Udemyの授業づくり講座もおすすめです。
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小学校の先生向け!英語を教えるなら読んでおきたい5冊!
今まで英語を教えたことのなかった先生でも、専科として、担任として指導ができるように外国語指導の理論から実践まで、具体と抽象をバランスよくカバーできるようセレクトしました。
とりあえず5冊読んでおけば英語指導のスタートラインに立てますし、困った時のレファレンスとしても十分に役立ちます。もちろん、すでに指導されている先生にもオススメのラインナップです。
基本を押さえる!『英語教師のための第二言語習得論入門 改訂版』
タイトル | 英語教師のための第二言語習得論入門 改訂版 |
著者 | 白井恭弘 |
出版社 | 大修館書店 |
出版日 | 2023/1/19 |
ページ数 | 176ページ |
外国語習得の理論を手っ取り早く学習したい人にオススメの1冊です。英語教師なら誰もが知っている基本的な知識が、コンパクトにまとまっています。
母語の影響、年齢要因(臨界期仮説)、効果的な学習方法、指導法、教師の日本人的発音に対する専門家の意見などが掲載されています。
SLAやクラッシェン、コミュニカティブ・アプローチといった言葉に馴染みがなければ、ぜひ手に取ってみてください。理論は授業づくりの指針となるので、手探りでの授業実践から脱出したい先生にもオススメです。
著者の白井恭弘氏は、『英語はもっと科学的に学習しよう』というタイトルで、一般向けにも執筆されています。こちらは Kindle Unlimited でも読めます。初回登録30日間は無料なので、白井氏の本をとりあえず手に取ってみたい方にオススメです。
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1冊あると安心!『実践!新学習指導要領 基本が分かる 外国語活動・外国語科の授業』
新学習指導要領での授業が、写真やイラスト、子どもたちの振り返りなどで丁寧に解説されています。今まで英語の授業をしてきた先生にも、これから始める先生にもオススメできる1冊になっています。
中学校の事例も掲載されており、教科化でますます重要になる小中連携についてもカバーしています。
タイトル | 実践!新学習指導要領 基本が分かる 外国語活動・外国語科の授業 |
著者 | 外国語活動外国語科実践研究会 |
出版社 | 東洋館出版社 |
出版日 | 2019/3/6 |
ページ数 | 159ページ |
授業づくりの強い味方!『小学校英語の考え方—実践的な授業づくりへの17のヒント』
教科書を効果的に用いた授業づくりの仕方が、具体的な活動例や指導案、実践例とともに学べます。
授業づくりの基本的な考え方から、ティーム・ティーチング、4技能5領域・語彙文法の指導、振り返り・評価まで、小学校英語の疑問や不安に答えます。
タイトル | 小学校英語の考え方 実践的な授業づくりへの17のヒント |
著者 | 町田智久 |
出版社 | 大修館書店 |
出版日 | 2022/03/29 |
ページ数 | 194ページ |
小学校英語の評価がわかる!『小学校英語「5領域」評価事例集』
文部科学省 教科書調査官の池田勝久氏の著書で、小学校英語における評価を網羅した1冊です。5領域(聞くこと・読むこと・やり取り・発表・書くこと)ごとの事例が収録されており、具体的でわかりやすいです。
評価方法としては、パフォーマンス評価・ポートフォリオ評価から相互・自己評価、CAN-DOリストの活用まで、こちらも幅広く扱われており、イチオシです。
タイトル | 小学校英語「5領域」評価事例集 |
著者 | 池田勝久 |
出版社 | 教育開発研究所 |
出版日 | 2020/9/19 |
ページ数 | 164ページ |
優れた授業実践が知りたい!『Let’s Challenge!! 伝わる喜びを味わう子どもが育つ小学校英語教育』
英語の知識や学習指導要領の動向、専門家の助言は教えるのに欠かせませんが、最終的に知りたいのは「どう実践するか」ではないでしょうか。
この本では、学級担任の取り組みに焦点を当て、学習集団づくりから他教科との連携、評価の在り方、CAN-DOリストまで幅広くカバーしています。
外国語教授法の理論と新学習指導要領の内容をどう組み合わせて、授業実践をしていくのか、参考になる一冊に仕上がっています。
タイトル | Let’s Challenge!! 伝わる喜びを味わう子どもが育つ小学校英語教育 |
著者 | 篠栗町立篠栗小学校 (著), 直山 木綿子 (監修) |
出版社 | 東京書籍 |
出版日 | 2021/10/8 |
ページ数 | 96ページ |
【小学校英語 番外編】児童向けで、先生にも参考になる教材: やさしくまるごと小学英語
小学校3年生から6年生までの内容をすべて解説している書籍です。ポイントは、YouTubeで講師の動画が見られるようになっている点です。この講師の先生の教え方がかなり上手いので、授業をする際に参考になります。
どうしていいか悩んだら、とりあえず同じように教えれば子どもたちも理解できるはずです。
タイトル | やさしくまるごと小学英語 |
著者 | 学研プラス (著), 狩野晶子 (監修) |
出版社 | 学研プラス |
発売日 | 2020/3/19 |
ページ数 | 196ページ |
付録 | DVD(Kindle版はなし) |
中学校の先生向け!明日の授業に取り入れられる!授業づくり・実践力UPにつながる本!
オールイングリッシュの授業や「やり取り」の指導など、新学習指導要領にも対応でき、明日からの授業にすぐに役立つ実践的な本をピックアップしました。
板書&展開例でよくわかる 英文法アクティビティでつくる365日の全授業 中学校外国語
英文法指導の全時間の単元計画や授業展開例と板書例、授業で使えるワークシートを収録し、展開例では教師と生徒のやり取りがリアルに再現されています。
とりあえず手元にレファレンスとして置いておきたい1冊です。
タイトル | 板書&展開例でよくわかる 英文法アクティビティでつくる365日の全授業 中学校外国語 |
著者 | 瀧沢 広人 |
出版社 | 明治図書 |
出版日 | 2023/3/11 |
ページ数 | 288ページ |
中学校英語「知識&技能」の教え方ガイド&ワーク ~音声・語彙・文法の指導と評価のすべてがわかる!
「知識・技能」の教え方に特化した書籍がついに発売されました!語彙や文法の指導方法やワークシートはもちろん、評価規準・基準までしっかり解説されています。
「思考・判断・表現」や「やり取り」が着目されがちですが、知識・技能はすべての活動の基盤となる力です。語彙や文法の力がつくと、思考・判断・表現の活動の幅も広がるので、力を入れて取り組むのがオススメです。
【2年 】中学校英語「知識&技能」の教え方ガイド&ワーク 音声・語彙・文法の指導と評価のすべてがわかる!
【3年】中学校英語「知識&技能」の教え方ガイド&ワーク 音声・語彙・文法の指導と評価のすべてがわかる!
タイトル | 中学校英語「知識&技能」の教え方ガイド&ワーク 1年 音声・語彙・文法の指導と評価のすべてがわかる! |
著者 | 瀧沢 広人 |
出版社 | 明治図書出版 |
出版日 | 2024/3/4 |
ページ数 | 144ページ |
中学英語 実例でわかる! 「主体的に学習に取り組む態度」の学習評価
「主体的に学習に取り組む態度」の評価を専門的に扱った書籍がついに出版されました!客観的かつ公平な評価が実践的に解説されています。
「主体的に学習に取り組む態度」ってなに?関心・意欲・態度と同じじゃダメなの?具体的にどう評価すればいいの?といった現場の疑問を解決してくれる1冊です。
タイトル | 中学英語 実例でわかる! 「主体的に学習に取り組む態度」の学習評価 |
著者 | 瀧沢 広人 |
出版社 | 学陽書房 |
出版日 | 2023/6/9 |
ページ数 | 176ページ |
中学校英語 帯活動&単元末タスク活動アイデアワーク
本書は、タスク型授業、やりとりの指導を考えている先生にオススメです。
帯活動、タスク活動、教科書内容理解、単元末のタスク活動という流れで、生徒の気付きを促し、内容的につながりのある効率的な授業デザインを提案しています。3学年分の帯活動、単元末のタスク活動用のワークシートも完全収録◎
タイトル | 中学校英語 帯活動&単元末タスク活動アイデアワーク |
著者 | 野坂 良太 |
出版社 | 明治図書出版 |
出版日 | 2022/12/23 |
ページ数 | 128ページ |
中学校英語 指導スキル大全 77 TEACHING SKILLS
中学校英語指導の総集編とも言える1冊で、授業に関するありとあらゆる内容が網羅されています。
具体的には、教材研究、英単語・音読指導、内容理解・読解指導、英文法指導、テスト作成・評価、家庭学習・高校入試指導、タブレットの活用の仕方などが、実践的な助言とともに掲載されています。
ベテランの先生が情報をアップデートするにも、初任の先生が授業づくりの基本を身につけるのにもオススメで、中学校英語科の教員なら、2023年に間違いなく持っておきたい1冊です。
タイトル | 中学校英語 指導スキル大全 |
著者 | 瀧沢 広人 |
出版社 | 明治図書出版 |
出版日 | 2022/5/2 |
ページ数 | 176ページ |
話せる!書ける!英語言語活動アイデア&ワーク66
現行の学習指導要領で強く求められているのが「目的や場面, 状況」を意識した言語活動です。外国語教授法の観点からは「目的や場面, 状況」が設定されることにより、リアルなコミュニケーションに近づくメリットがあります。
教師側の課題となるのが、どのような「目的や場面, 状況」を設定するかという点です。本書は、豊富な事例とともに、「目的や場面,状況」をどのように設定していくのかを解説しています。
ワークシートも掲載されているので、すぐにそのまま使えるのも嬉しいポイントです。
タイトル | 話せる!書ける!英語言語活動アイデア&ワーク66 (中学校英語サポートBOOKS) |
著者 | 瀧沢 広人・山崎 寛己 |
出版社 | 明治図書出版 |
出版日 | 2023/10/3 |
ページ数 | 160ページ |
絶対成功する! 中学校新英文法指導アイデアブック (目指せ! 英語授業の達人)
学習指導要領が変わっても避けては通れないのが、文法指導です。中学校では2021年度から新たに仮定法過去や原形不定詞など7つを扱うことになりました。
本書では、新たに指導することになった部分をカバーしているだけでなく、コミュニケーションを念頭に「目的・場面・状況」に応じた言語活動を通した指導を目指します。
初任からベテランの先生まで、新指導要領で指導するすべての先生にオススメの1冊です。
タイトル | 絶対成功する! 中学校新英文法指導アイデアブック (目指せ! 英語授業の達人) |
著者 | 瀧沢 広人 |
出版社 | 明治図書出版 |
出版日 | 2021/4/16 |
ページ数 | 128ページ |
はじめてでもすぐ実践できる! 中学・高校 英語スピーキング指導
2021年度からのスピーキングは、発表とやり取りの2つの領域に細分化されることになりました。発表では正確さを、やり取りでは流暢さを高めていく必要がありますが、バランスよく高めていくには指導に工夫が必要です。
特に、どうしても英語で話したがらない、会話が続かない生徒、たくさん話していても文法的な誤りが散見される生徒を抱えている場合には本書が役立ちます。豊富な具体例やワークシートを交えながら、理論と実践の両面から解決へとせまります。
タイトル | はじめてでもすぐ実践できる! 中学・高校 英語スピーキング指導 |
著者 | 上山 晋平 |
出版社 | 学陽書房 |
出版日 | 2018/7/12 |
ページ数 | 136ページ |
実例でわかる! 中学英語 パフォーマンステスト&学習評価
新学習指導要領では、パフォーマンステストも求められています。パフォーマンステストを扱った書籍はいくつかあります。本書を選んだのは、これ1冊で4技能5領域すべてカバーでき、なおかつルーブリックの作り方が詳しく解説されており、客観的で指導と一致したテストづくりに役立つ点につきます。
本書は紹介しているテスト例も多いので、今までなにかしらパフォーマンステストを実施してきた先生にも、これからパフォーマンステストに取り組む先生にも、オススメできる1冊です。
タイトル | 実例でわかる! 中学英語 パフォーマンステスト&学習評価 |
著者 | 瀧沢 広人 |
出版社 | 学陽書房 |
出版日 | 2021/10/22 |
ページ数 | 136ページ |
思考力・判断力・表現力を育てる 中学校・高等学校 「タスク×言語活動」英語授業デザイン
日本の学校での指導を念頭に、タスクに基づく指導法を実践的に扱った書籍がついに出版されました!タスクと言語活動をどう絡ませていくのか、タスクに入る前の橋渡し(スキャフォールディング)についても触れられており、再現性の高い内容となっています。中学校・高校での実践アイディアも豊富なので、手元に置いておいて損ない1冊です。
タイトル | 思考力・判断力・表現力を育てる 中学校・高等学校 「タスク×言語活動」英語授業デザイン |
著者 | 高杉 達也 |
出版社 | 明治図書出版 |
出版日 | 2024/7/16 |
ページ数 | 160ページ |
高校の先生向け!コミュニケーションも受験も諦めない!オススメ5冊!
ペーパーテスト&パフォーマンステスト例が満載! 高等学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック
遂に出ました!高等学校英語、新3観点に対応したペーパーテスト・パフォーマンステストの解説書です!現時点で、いちばんの懸案事項は、新指導要領での観点別評価にどう対応していくかなので、ポイントをタイムリーに押さえた本はありがたいです。
『高等学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』では、新指導要領での観点別評価に関する解説や「知識・技能」「思考・判断・表現」の評価はもちろん、「主体的に学習に取り組む態度」の評価の具体にまで踏み込んでいます。観点別評価は逃げても追ってくる可能性が高いので、今年度中に対処してしまうのがオススメです。ということで、間違いなく、今年度のイチオシです
フォーカス・オン・フォームとCLILの英語授業 (アルク選書)
日本の英語教育研究をリードする上智大学の和泉伸一先生が書かれた本です。本書では、フォーカス・オン・フォームを取り入れた授業づくりについて解説されています。フォーカス・オン・フォームは、言語形式・意味・機能のつながりを大事にした指導法で、受験にもコミュニケーションにも通用する指導法です。
フォーカス・オン・フォームと聞くと、スピーキング指導の印象を持たれるかもしれませんが、本書ではリーディング指導についても手厚く扱っています。特に本書に掲載されている「森から木へのアプローチ」は、言語理解のプロセスにもとづいた、コンテクストを大事にする指導方法です。
発売からすでに5年以上経過していますが、外国語教授法の研究成果に裏打ちされていることもあり、今なおイチオシの1冊です。
タイトル | フォーカス・オン・フォームとCLILの英語授業 (アルク選書) |
著者 | 和泉 伸一 |
出版社 | アルク |
出版日 | 2016/4/14 |
ページ数 | 279ページ |
リテリングを活用した英語指導—理解した内容を自分の言葉で発信する
今までありそうでなかった、リテリングを専門的に扱った本です。読解活動の仕上げとしてすっかり高校の英語教育に馴染んだリテリングですが、できる生徒とそうでない生徒にはっきりと分かれてしまって悩まれていたり、評価をどうすべきかと模索されている先生も多いです。
本書では、生徒のレベルに合わせた段階的な指導方法と、評価についても触れられています。リテリングはできるようになると生徒も自信がつきますし、効果も大きな指導法です。ぜひ本書を手に取って、明日からの授業に取り入れてみてください。
第2章 リテリングの手順(Ⅰ):内容理解
第3章 リテリングの手順(Ⅱ):音読による内在化
第4章 リテリングの手順(Ⅲ):発話情報の選定
第5章 リテリングの手順(Ⅳ):英語への変換
第6章 リテリングの手順(Ⅴ):発話
第7章 どのようにリテリングを評価するのか
第8章 リテリング研究から分かること
タイトル | リテリングを活用した英語指導—理解した内容を自分の言葉で発信する |
著者 | 佐々木 啓成 |
出版社 | 大修館書店 |
出版日 | 2020/8/24 |
ページ数 | 150ページ |
英語リテリング&ショート・プレゼンテーション指導ガイドブック
リテリングが実践的な視点からまとめられています。リテリングのはずが、本文の暗唱になってしまった、リテリングから次にどのような活動に繋げたらいいのかわからない、という先生にオススメの1冊です。
佐々木先生の『リテリングを活用した英語指導』で理論面を、本書で実践面をカバーするようなイメージで読むと、整理しやすいです。
タイトル | 英語リテリング&ショート・プレゼンテーション指導ガイドブック (目指せ!英語授業の達人) |
著者 | 上山 晋平 |
出版社 | 明治図書 |
出版日 | 2022/10/7 |
ページ数 | 136ページ |
高校英語のアクティブ・ラーニング 成功する指導技術&4技能統合型活動アイデア50
リテリングだけでなく、活動的な授業を展開したい先生にオススメの1冊です。授業改善を念頭に、主体的・対話的で深い学びにつながる言語活動の事例が詳しく紹介されています。
本書の特徴は、なんと言っても授業改善が念頭に置かれている点です。
本書は、授業改善のポイント、指導技術、場面別活動アイディアの3章構成になっており、職員室の机上においておいて、授業準備をする時にレファレンスとしても活用できるようになっています。毎日少しずつ取り入れていくことで、着実に授業改善につなげられます。
タイトル | 高校英語のアクティブ・ラーニング 成功する指導技術&4技能統合型活動アイデア50 |
著者 | 小林 翔 |
出版社 | 明治図書出版 |
出版日 | 2017/2/17 |
ページ数 | 160ページ |
英語授業プリント改善講座
英語の授業でハンドアウトを配布するのは、もはや常識となりつつあります。出来るだけ、生徒にとっても使いやすく、教育効果が最大になるよう作成したいところです。これまでハンドアウトを専門的に扱った書籍はありませんでしたが、遂に登場しました。
BEFORE→AFTERの事例プリントを示して解説。そのタスクは、意図した目的に沿っているか。生徒のレベルに合っているか。生徒の真の英語力を伸ばすプリントを追求する一冊です。
タイトル | 英語授業プリント改善講座 |
著者 | 萩野俊哉 |
出版社 | 大修館書店 |
出版日 | 2024/8/28 |
ページ数 | 210ページ |
英語教授法 (TESOL) のオススメ本
ここからは、日本の学校教育から離れて、英語教授法(TESOL)の書籍を紹介していきます。
英語教授法 概論・入門書
The Practice of English Language Teaching with DVD (2015)
英語教授法(TESOL)のすべてがこの1冊にコンパクトにまとまっています。学術書というよりは、英語教授法を1から学ぶ人に向けた内容です。北米では、一般の図書館にも数冊置いてありました。それくらい入門書としては定評があります。
平易な英語で書かれており、英検2級程度から読めるので、TESOLについて初めて英語で学ぶ方にもオススメです。
Learning Teaching
ケンブリッジ大学英語検定機構認定の指導資格CELTA取得コースでも用いられることの多いテキストです。
英語指導について全般的にカバーされており、言葉だけでなく、DVDで映像でも学べるのが特徴です。
実践的な指導力を高めたい方向けの書籍です。
Teaching by Principles (4E) (Teacher References)
実践的な内容をより深く専門的に学びたい方にオススメなのが、Teaching by Principles です。本書は、理論だけでなく、実践と組み合わせ、豊富な事例とともに議論してくれています。レベルとしては、学部卒業~修士1年目前期程度です。英語の勉強はしてきたけど、指導法の勉強をする機会がなかったり、海外のスタンダードを知りたい人にオススメです。
4技能5領域の指導
Teaching ESL/EFL Listening and Speaking (ESL & Applied Linguistics Professional Series) (English Edition)
4技能5領域の指導で、若手から中堅・ベテランにまで真っ先にオススメしたいのが、言語教育方法・語彙研究で世界的に有名な Paul Nationらによるこちらの書籍です。Nation は、1980年代から Four Strands といわれる、非常にバランスの取れた授業を提案しています。
現在の英語教育研究は多岐にわたり、全体を俯瞰しつつバランスの取れた効果的な指導を行うことは、実は簡単なことではありません。インプットとアウトプットの種類と量、4技能やインタラクション、形式・意味・機能、正確さ・流暢さ・複雑さ、忘却と再提示の頻度など、考えるべき項目は多岐にわたります。
Nation氏 の書籍は教師向けに書かれているのでいつも読みやすく、英検準1級くらいあれば読めます。実務に直結するレベルなので、どの先生にもオススメです。
タイトル | Teaching ESL/EFL Listening and Speaking (ESL & Applied Linguistics Professional Series) (English Edition) |
著者 | Jonathan M. Newton (著), I.S.P. Nation (著) |
出版社 | Routledge |
出版日 | 2020/10/26 |
ページ数 | 294ページ |
Task-Based Language Teaching: Theory and Practice
Task-Based Language Teaching(TBLT; タスク中心教授法)は、コミュニカティブ・アプローチの中でも、世界的に大きな注目を集めている指導手法です。従来のPPPや音読指導と違い、コミュニケーション力を総合的に高めることを目的としています。
本書は、これからタスクベースの授業を取り入れる方や研究として扱う方にイチオシです。TBLTに関する全てが書かれているといっても過言ではありません。
語彙指導
How Vocabulary Is Learned
タイトルだけ見ると理論書に見えますが、意外にも指導法のオンパレードです(もちろん、理論面もカバーしています)。語彙学習についてここまで理論・実践面から網羅している書籍は管見の及ぶ限りありません。
ちなみに私は米国大使館の研修プログラムでお会いした慶応義塾大学の先生のオススメで知りました。語彙は絶対に教えることになるので、手元に1冊置いておくことをオススメします。授業づくりの際にペラペラめくってみるとアイディアが湧いてきます(それくらい実践向きの内容です!)
評価・パフォーマンステスト
Exploring Language Assessment and Testing
評価について初めて学術的に学ぶ方向けです。Validity(妥当性)、Reliability(信頼性)、Construct(構成概念)といった教育評価に関する基本的な考え方を学びます。学術書にしてはわかりやすく書かれていますが、修士レベルです。
Assessing Speaking
スピーキングのパフォーマンステストを専門的に作りたい方向けの書籍です。スピーキングの試験を作るにあたり、絶対に外せない知識が網羅されています。
「こうしなさい」というような書き方ではなく「こういった方法がありますよ」という書き方になっているので、指導環境に応じて取捨選択が求められます。
非常に読みやすく書かれており、テスティングの基礎知識がなくても読めますが、知識があれば活用しやすいです。
文法書
英文法の教え方については、日本で中高教員向けに書かれた本の方が、日本の英語教育の実情に合っていて使いやすいことが多いです。ここでは、指導法ではなく、文法自体のオススメ参考書を紹介します。日本語で書かれた参考書に満足できない方向けです。
Practical English Usage (4th Edition)
受験指導ではなく、実践的なコミュニケーションを念頭に置いた文法書が欲しい方に、イチオシです。第3版までとは異なり、第4版では文法項目ごとにまとめられており、使いやすくなりました。
世界的な文法指導のスタンダードを知る上でも、オススメの1冊です。なお、これで満足できない方は、次に紹介する The Grammar Book がオススメです。
The Grammar Book: Form, Meaning, and Use for English Language Teachers
英文法を形式・意味・場面の3観点から整理した専門書です。日本語で出版されている書籍は、形式と意味に焦点を当て、場面が完全に抜け落ちてしまっているものが多いです。本書では、具体的な使用場面も含めた上で、学術的に議論がなされます。そのため、文法的には正しくても、実際に使用されない英文がわかります。
番外編:オンラインコースもおすすめ
英語教師のスキルアップは、書籍が全てではありません。
CELTAなどの国際的な資格取得も効果的です。すべてオンラインで取得できるようになったので、検討してみるのも◎
CELTAは時間や費用の面で難しいという方には、TESOL のオンラインコースもおすすめです。CELTAと同じ英国資格枠組みレベル5の認証を受けているコースもあります。