【チャットGPT】生成AIの授業と教育現場での活用例5選

この記事では、チャットGPT(生成)の授業と教育現場での活用例を紹介していきます。

Chat GPTの授業例
  1. 情報の信憑性、ファクトチェック
  2. Chat GPTと人間の違い
  3. Chat GPTで授業の振り返り
  4. Chat GPTで英文添削
  5. 芸術や感性に関する授業

Chat GPTの教育利用は、Udemyの講座でも解説しています。時短術や児童生徒の利用への対応方法が身に付くのでオススメです。

Chat GPT (生成AI) の授業報告

情報の信憑性、ファクトチェックの指導

福井南高校の実践では、生徒が実際にChat GPTに質問し、その中から誤った回答を見抜く形で、情報の信憑性を確かめる重要性を学んでいます。

また、岡山県高梁北中学校の実践では、引用元がわからない点が問題としてあげられています。

このように、情報の信憑性を確かめることをファクトチェックといいます。指導方法は別の記事で詳しく解説しています。

福井南高校の実践
https://www.fbc.jp/news/news95bygwfzhjsxj8rov4.html
岡山県高梁北中学校の実践
https://news.ksb.co.jp/article/14936097

Chat GPTと人間の違いに言及する授業

Chat GPT と人間の違いに迫る授業も行われています。

学校名は伏せられていますが、中学校国語の授業で、「自分がかわいらしいと思うもの」というテーマで、Chat GPT と 生徒の作文を比較させています。

Chat GPTによる複数の回答と生徒の作文をグループで討議したところ、AIは一般論しか言わない、人間の方が個性がある、といった結論に達したとのことです。

文部科学省のガイドラインでも「AIには自我や人格がないことを十分に理解させる」とされており、生成AIを使わせる上で重要な指導です。

なお、文部科学省のガイドラインは、別の記事でわかりやすくまとめています。

https://suikyoblog.com/2023/06/09/chatgpt-lesson/

Chat GPTを授業の振り返りに活用

愛媛大学教育学部附属中学校では、授業の振り返りでChat GPTを活用しています。生徒がタブレットに実験の振り返りを記入すると、Chat GPTが即座にレスポンスします。

Chat GPTにはあらかじめ、生徒の記入にコメントするように指示されており、「150字以内」で、「分かりやすく」、「肯定的な」文章になるよう条件も付されています。

なお、元の記事を見る限りですが、Chat GPTとGoogle スプレッドシートを連携させているように見えます。連携にはAPI Keyが必要で、有料です。

愛媛大学教育学部附属中学校の実践
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/lreport/article/000/29/

Chat GPTで英作文の添削指導

県立長崎北高校では、英語の授業で導入し、活用方法や学習効果について生徒意見を交わしたり、英作文の添削を Chat GPTで行いました。

ちなみに、Chat GPTによる英文添削の精度は、英検のライティング問題を例にして、別の記事にまとめています。

県立長崎北高校の実践
https://www.ncctv.co.jp/news/116305.html

芸術性や感性に関する授業

Chat GPTと人間で、芸術や感性を比較する授業も行われています。

古文の1節を Chat GPT と 生徒で独自に書き換え、比較を行なっていました。結果、AIによる文章は趣が消え、生徒独自に作成した文章の方が高く評価されています。

元の文章

春はあけぼの。ようよう白くなりゆく山ぎわ少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる

清少納言『枕草子』

Chat GPTの回答
春の日差しに包まれた山道を歩き出す。道の隅々には新緑が芽吹き、そよ風に揺られている。そんな中、山頂に向かって踏み出す足音が響き始めた。

生徒の回答
夏はアイス。日差しでのぼせたその体、覚ましてくれるシャーベットやアイス。かき氷でも良き。

https://suikyoblog.com/2023/06/09/chatgpt-lesson/

Chat GPT(生成AI)の授業手順

文部科学省のガイドラインでは、生成AI自体の性質やメリット・デメリットに関する学習を十分に行っていないなど、情報モラルを含む情報活用能力が十分育成されていない段階において、自由に使わせるのは不適切であるとされています。

ガイドラインでは、生成AIに関する指導手順として、以下の流れを提案しています。

  1. 生成AI自体を学ぶ段階(生成AIの仕組み、利便性・リスク、留意点)
  2. 使い方を学ぶ段階(より良い回答を引き出すためのAIとの対話スキル、ファクトチェックの方法)
  3. 各教科等の学びにおいて積極的に用いる段階(問題を発見し、課題を設定する場面、自分の考えを形成する場面、異なる考えを整理したり、比較したり、深めたりする場面などでの活用)
  4. 検索エンジンのように普段使いする段階

子供の実態に応じて、2や3を往還したり、2と3を行いながら、1に関する理解を更に深めていくことも考えられるとされており、必ずしも順番通りに行う必要はありませんが、参考にしていきましょう。

生成AI自体を学ぶ段階

生成AIの仕組みをもっともわかりやすく解説しているのは、文部科学省ガイドラインです。

ガイドラインでは「ある単語や文章の次に来る単語や文章を推測し、「統計的にそれらしい応答」を生成するもの」と説明されています。ウェブ上のデータを機械学習させることで可能になりました。

例えば、「昔々」という入力に対して、生成AIは機械学習した内容に基づいて、「あるところに」という言葉を出力します。言ってみれば、一種の連想ゲームのようなものです。

そのため、生成AI自体は、情報の真偽を確かめる術を持たないことに留意させましょう。

生成AIのメリットとデメリットは別の記事で解説しています。

使い方を学ぶ段階

生成AIの使い方を学ぶ段階で大切なのは、ファクトチェックの能力です。生成AIの情報が正しいのか見極める力が必要です。

ファクトチェックの指導をする時は、無料版のChatGPTが圧倒的にオススメです。児童生徒でも気づけるくらいの間違いを連発してくれます。

詳しくは、別の記事で記事で解説しています。

なお、生成AIに指示を出す際は、具体的に尋ねるとより具体的な回答が得られます。また、一度に全てを指示するのではなく、繰り返し指示を出してAIの回答を修正していく手法もよく用いられます。

Chat GPTの基本テクニックや教育利用は、Udemyの講座でも解説しています。合わせてご活用ください。