【中高英語3観点のテスト問題】思考 判断 表現の設問例、知識 技能との違いもわかりやすく解説

英検1級、英国修士(TESOL/英語教授法)、英語教師のASAKOROKOです。

新学習指導要領では、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」の3つで評価することになりました。

主体的に学習に取り組む態度は平常点として処理するにしても、悩ましいのは知識技能と思考判断表現を定期テストでどのように評価していくのかですよね。

この記事では、知識技能と思考判断表現のわかりやすい見分け方について解説していきます。

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知識技能・思考判断表現とは

外国語(英語)における知識・技能と思考・判断・表現は、端的にまとめると次のようになります。

知識・技能とは

知識・技能は、学習指導要領では、「外国語の音声や語彙、表現、文法、言語の働き」とされています。

英単語の意味や英文法の理解、発音の技能が含まれます。

思考力・判断力・表現力とは

思考力・判断力・表現力とは「コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、理解したり、表現したり伝えあったりすること」です。

非常に簡単に言ってしまえば、4技能5領域のことです。

知識技能 と 思考判断表現 のテスト問題例

知識・技能のテスト問題例

知識・技能を問う問題では、英単語や英文法の理解のチェックが中心です。

【知識・技能の問題例】
英単語の意味を日本語で書きなさい。
英単語を並び替え、日本語の意味に合う英文を完成させなさい。

これらの問題は、英単語や文法の知識があれば、英文を読んだりしなくても、機械的に解答することができます。

思考力・判断力・表現力のテスト問題例

思考判断表現の問題では、実際に英語を4技能として使わせる必要があります。

今回は定期テストを想定しているので、3技能(リーディング、リスニング、ライティング)に絞って実例を紹介します。

読むこと

次の英文を読んで、20字程度で要約しなさい。
→英文を理解した上で、重要な箇所とそうでない箇所を考え、自分で判断する必要がある。

あなたはレポートを書く準備をしています。次の英文を読んで、電気自動車の普及に関するメリットとデメリットを表にまとめなさい。
→英文を理解した上で、何がメリットに該当するか、デメリットとなりうるか、自分で考える必要がある。

選択問題として出題してもOKです。

次の英文の概要として、最も適切なものを選択肢 a ~ d から1つ選び、記号を回答欄に書きなさい。
→英文を理解した上で、全体像を自分で考え把握する必要がある。

基本的に内容理解を問う読解問題は、すべて思考判断表現に分類できます。

聞くこと

あなたは、ホノルル行き766便に搭乗予定です。空港のアナウンスをよく聞いて、搭乗ゲートを回答欄に書きなさい。
→英文を聞いて、必要な情報とそうでない情報を考え、判断する必要がある。

今回は問題文に搭乗便の情報を含めましたが、英文で書かれたチケットのコピーを印刷してリーディングと組み合わせると、さらにオーセンティックな英語使用に近づきます。

英文を聞いて、内容に最も合う絵を選びなさい。
→英文を聞いて、要点を自分で判断する必要がある。

書くこと

次の問いに対して、あなた自身の考えを30語程度の英文で書きなさい。
→英単語や英文法の知識を活用して、自分の考えを表現する必要がある。

思考・判断・表現の問題を作成するポイント

理解領域(リスニング・リーディング)

リスニングとリーディング問題で、思考判断表現を問うには、以下の3点を問うのが基本となります。

  1. 必要な情報を読み取る(広告、パンフレット、予定表、メールなど)
  2. 概要を捉える(説明文、意見文、エッセイ、物語文など)
  3. 要点を捉える(説明文、意見文、エッセイ、メールなど)

特定の英単語の意味や英文法に焦点を当てすぎないよう注意しましょう。特定の英単語や英文法に焦点を当てた場合、その問題は知識・技能として処理すべきです。

表現領域(ライティング)

ライティングでは、英文法の正確さだけでなく、表現内容の適切さも評価対象にしましょう。

表現内容の適切さとは、目的や場面、状況に照らし合わせて、妥当性があることを言います。

意見を書かせるようなエッセイ問題では、意見だけでなく理由や根拠を添えているかなど、形式にも着目していきましょう。

知識技能と思考判断表現を同時に評価する

思考判断表現を問う問題では、知識技能が必ずベースとなっています。

そのため、問題によっては、ルーブリックを工夫することで、知識技能と思考判断表現を切り分け、1つの問題で同時に評価することも可能です。

【書くこと】
次の問いに対して、あなた自身の考えとその理由2つを30語程度の英文で書きなさい。

【評価の観点】
知識技能
= 文法・語彙(文法的に正しい英語で書けているか)

思考判断表現
= 内容・構成(考えと理由2つがわかりやすく提示されているか)

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