【中学高校】英語の定期テストの作り方! 初めての考査作成もこれで大丈夫!

定期考査の作成って大変ですよね。とにかく時間がかかります

しかも、初めて作る場合は平均点が低すぎたり、高すぎたらどうしようと不安にもなりますよね。

大丈夫です。考査作成の基本から作成時間を大幅に短縮するコツまで、考査作成が初めての先生でもわかるように丁寧に解説していきます。

この記事の執筆者(ASAKOROKO)
英検1級・英国修士(TESOL/英語教授法)、現役英語教師。TESOLは国際資格も保有。考査作成の豊富な経験を生かして、今回は作成方法と時短術を解説していきます。

英語の授業づくりは Udemy の講座で詳しく解説しています。授業の基本的な作り方から Chat GPTを用いた授業改善まで、実践的に学べます。

考査作成の流れ

考査作成の流れは、以下のようになっています。

  1. 出題形式を決める
  2. 事前打ち合わせ
  3. 問題と模範解答を作成する
  4. 問題を共有、修正
  5. 印刷する

それぞれ解説していきます。

出題形式を決める

大まかな出題形式と配点は、年度や学期当初に決めるのがオススメです。

出題形式を先に決めておくと、指導と評価の一体化がしやすくなるというメリットがあるからです。

例を見てみましょう。

  • リスニング問題(20点)
  • 英単語問題(20点、単語帳から出題)
  • 文法問題(20点)
  • 読解問題(20点)
  • ライティング問題(20点)

このように出題問題と配点が大まかに決まっていれば、指導と評価が一致しやすくなります。何をどれくらい指導すべきかが明確です。

評定の算出とも直結するので、知識技能と思考判断表現の出題割合についても、ある程度決めておくことをオススメします。

年度当初に決めていなかった場合は、考査作成前に決めておきましょう。全体像がはっきりして、考査の作成がしやすくなります。

他の評価方法との連携を意識する

現在の英語の授業は、スピーキングにおけるやり取りを始めとして、ペーパーテストのみで成果を図れるような内容ではありません。実技科目の性格を強めています。

従来通りのペーパーテストのみでは、指導と評価があっという間に乖離します。生徒は習ったことが出題されない、評価に関係ないとわかると、目に見えてやる気をなくします。

そこで、スピーキングは定期考査とは別に、パフォーマンス・テストで評価するといった工夫が必要不可欠です。

どこまでを定期考査で評価して、どこからをパフォーマンス・テストや他の評価手法に頼るのかをはっきりさせておきましょう。

なお、パフォーマンステストについては、こちらの記事で解説しています。

事前打ち合わせ

考査の数週間前に、担当教員で集まって事前の打ち合わせを行います。

事前に確認する内容

以下の内容について確認しておきます。

  • 出題範囲
  • 必ず出題する問題
  • 出題しない問題
  • 想定する平均点
  • 採点の分担

出題範囲と出題問題について

定期テストは、学習した内容が定着しているかを確認するものです。指導していない内容を出題するのは御法度です。

担当教員間で差が出るのも避けなければなりません。A先生の授業では習って、B先生の授業ではほとんど扱われていない内容は、出題するべきではありません。

また、「単語帳から20点分出題する」といったように、必ず出題する問題がある場合は改めて範囲や出題形式を確認しておきましょう。

平均点は心配しなくても大丈夫

結論から言えば、平均点については過度に心配する必要はありません。初めての考査作成では不安になりますが、意外と狙った点数から±10点の範囲に落ち着きます

注意すべきは、作っている段階で「あれ、ちょっと簡単すぎるかも」「難しすぎるかも」と思った場合です。だいたいその直感は正しいことが多いので、問題を見直すことをおすすめします。

なお、想定よりも点数がずれてしまった場合は、次回以降の考査で調整すればいいだけです。あまり心配せず作成していきましょう。

問題作成と時間短縮のポイント

問題作成のポイント

問題作成のポイントは以下の3点です。

  • 難易度のバランス
  • 出典元のバランス
  • 出題量を調整する

難易度をバランス良く出題

全ての問題が難しかったり、逆に簡単すぎると生徒の学力を正確に反映できなくなります。そのため、考査では易しい問題から難しい問題までバランス良く出題します。

また、赤点を設定している学校では、どの程度の生徒を引っ掛けるのか考えておきましょう。あまり多くなりすぎると補習など事後指導が大変になります。

出典元のバランスを調整する

考査問題は、初見問題のほかに、教科書やワークブックから出題するケースが多いです。

特定の教材やページからの出題に偏るのは、教員間で打ち合わせしている場合を除いて好ましくありません。

山を張って勉強した生徒のみが得をするような出題になっていないか見直しましょう。

出題量を調整する

どう考えても時間内に解き終わらない、あるいは、すぐに解き終えてしまうような出題は避けましょう。

考査時間が50分の場合、平均的な生徒が40分程度かかるような出題が理想です。

作成時間を短縮するポイント

考査の作成時間を短縮するポイントは以下の4つです。

時短のポイント!
  • 問題作成と同時に模範解答をメモする
  • 採点を考える
  • 大問ごとに観点を統一する
  • Chat GPTを活用する

問題作成と同時に模範解答をメモ

考査作成で意外とやりがちなのが、問題を全て作成してから模範解答を作成するパターンです。

問題の出典は教科書やワークブックといった副教材にちらばっており、出典元を探すのは大きな時間のロスになります。

問題作成時に模範解答もメモしておくことで、このロスは防ぐことができます。かなりの時間短縮になります。

採点を考える

考査問題を作成する際には、採点の手間も考えましょう。採点を楽にするには、次の2パターンのいずれかを採用することになります。

  1. 選択問題を増やす
  2. 1問あたりの配点を高くする(出題数を減らす)

記述式の問題を出題する場合は、選択問題並に採点基準を明確化するか、思い切って配点を高くします。論述問題などは配点を30点などにしておけば、意外と採点にかかる時間は増えません。

事前にルーブリックを作成しておけば採点もスムーズですし、むしろ出題数が減ることで時短になることもあります。

ルーブリックの作成については、別の記事で解説してます。

大問ごとに評価の観点を統一する

観点別に点数を集計している場合は、大問ごとに観点を統一してしまうのがオススメです。

もし可能であれば、解答用紙の左側は知識理解、右側は思考判断表現といったように分けてしまうのもオススメです。

Chat GPTを活用する

問題作成の心強い味方は Chat GPT です。初見の選択問題を作る場合は特に力を発揮します。

Chat GPT の活用術は、 Udemy の講座でも解説しています。生産性が劇的に向上します。

模範解答の作成、共有、印刷へ

模範解答の作成

模範解答は、解答用紙を用いて実際に解きながら作成するのがオススメです。

実際に自分で解きながら作成することで、誤字脱字や回答欄がないといったミスを減らすことができます。

出題にミスがあると訂正のために各クラスを巡回しなければならなくなり、考査当日の負担が増えます。

配点についても再計算しておきましょう。計算しなおしたら100点にならないなんてことも意外とあります。

考査問題の共有と修正

模範解答が仕上がったら、同じ科目を指導している先生に回覧して、修正や要望を聞きます。

他のクラスで指導していない問題が含まれてしまっていた場合などは、差し替えて対応していきましょう。

親切な先生は解き直したり、配点の確認までしてくれます。ありがたや。

印刷は意外と時間がかかる

考査時期は印刷機が混み合います。表紙をつけたり、丁合する場合はさらに時間が必要です。

余裕をもって早めに仕上げるとスムーズです。

考査は早く作って定時退勤を目指そう!

考査期間中は部活動が停止になる学校も多いはずです。ということは、考査さえ仕上げてしまえば帰れます。

Chat GPT を使えば考査作成にかける時間もかなり短縮できます。定時退勤も夢ではありません。

Chat GPT の活用術は、Udemyの講座で解説しています。短時間でサクッとポイントを押さえて、使いこなせるようにしていきましょう!私も使っていますが、大きな味方になってくれますよ。

Chat GPT は教師と相性が良いです。早めに使いこなせるようになるのがオススメです。