英検のライティングをChat GPTで添削! 採点やメリットとデメリットも解説!

英検対策で困るのが、ライティング課題の添削ですよね。

自分のライティングが合っているか不安ですし、自分の解答をどのように直していけばライティングが上達するのかも知りたいところです。

そこで気になるのが、今話題の Chat GPT です。 Chat GPT は人間並の添削ができるのでしょうか、はたまた人間より優れているのでしょうか?

この記事では、Chat GPT を使った英検ライティング対策の方法採点には使えるのかメリットやデメリット人による添削との違いについて解説していきます。

この記事の執筆者(ASAKOROKO)
英検1級・英国修士(TESOL/英語教授法)、TESOLは国際資格も保有。英語教師として Chat GPT を使いこなしている経験をもとに、今回は英検のライティング対策での活用方法や注意点をしっかり解説していきます。

Chat GPT は 英検ライティング に対応できる?

そもそも Chat GPT が 英検のライティング問題に対応できるのか気になりますよね。結論から言えば、Chat GPT は英検問題に完璧に対応できます

英検1級の課題であっても完璧に仕上げてくれます。文法的に正しい英文で書いてくれるのはもちろんですが、英検のフォーマットに従った形式で、おおむね規定の文字数で書いてくれます

Chat GPT が書いたライティングを提出すれば、おそらく1級であっても満点が出ます。それくらいの実力が Chat GPT にはあるので、その他の級も問題ありません。

Chat GPT で 英検ライティング の模範解答を作成する方法

Chat GPT で 英検ライティング の模範解答を作成するのは簡単です。

次のように問題文を入力すれば良いだけです。

Chat GPT への指示

以下の TOPIC について、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
POINTS は理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いても構いません。
解答の語数の目安は80~100語です。

TOPIC
Some people say that it is necessary for people to go to important historical sites in order to understand history better. Do you agree with this opinion?

POINTS
experience, motivation, technology

Chat GPT の回答

【日本語訳】

Chat GPT で 英検ライティング を添削してもらう方法

Chat GPT で添削してもらう場合は、文法的な誤りを指摘して欲しい旨を伝えましょう

単に添削して欲しいとだけ伝えると、文法的に正しい箇所まで Chat GPT の好きように書き換えられてしまいます。

実際に、英検2級の英文を用いてやってみます。なお、今回の例文はわざと間違えている箇所が4つあります。間違えている箇所はハイライトしています。

Chat GPT への指示

以下の英文に含まれる文法的な誤りを指摘してください。

I don’t think visiting historical sites are necessary to learn history for the following two reasons.

First, many historical places are not well maintained and some completely destroyed. It is not interesting or meaningful to see ruins.

Second, thanks to the development of modern technology such as virtual reality, we can experience historical sites as if we are in the actual place during the actual era. This is more meaningful and accesible from anywhere.

In conclusion, visiting historical places can be enjoyable, but it is not essential to learn history.

Chat GPT の回答

元の解答を提示した上で、修正箇所をまとめてくれました。非常に親切です。訂正された箇所も合っています。

Chat GPT による添削のメリットとデメリット

Chat GPT を添削に使うメリット

Chat GPT による添削のメリットは、スピードと価格です。非常に素早く、無料で添削してくれます。

英検のライティングだけでなく、あらゆる英文ライティングの場面で活躍してくれそうです。

Chat GPT を添削に使うデメリット ~解説を間違える

Chat GPT のデメリットは、修正箇所の解説を指示すると、間違った説明を頻繁にしてしまうことです。

実際に、英検2級と3級のライティングに対する Chat GPT の解説を見てみましょう。

英検2級 Chat GPT の解説

添削に用いたのは、先ほどと同じ英文です。修正箇所について、Chat GPT は以下のように説明しています。

修正理由のうち 3 と 4 は問題ありません。その通りです。ですが、1 と 2 は完全に誤りです。

  1. Chat GPT は、主語が”I”であり、単数であると説明していますが、それが理由ではありません。”visiting historical sites” は動名詞句で単数扱いなので、is とするのが正しいです。
  2. Chat GPT は “some”の後には、名詞が必要と述べていますが、someは代名詞としても単独で機能します。よってChat GPT の解説は間違いです。be動詞 are が必要なのは受動態にするためです。

英検3級 Chat GPT の解説

今回もあえて3箇所間違えてあります。

添削に出した英文
I don’t like to go to festivals in summer. First, it’s not comfortable. Usually, in Japan, it is hot and humid while summer. Second, I don’t like crowed places. I want play with my friends at my home.

Chat GPT の解説

Chat GPT は、間違えている箇所の指摘はできましたが、解説はまたしても間違えています。

  1. While + 主語 + 動詞 の形、During + 名詞 の形、です。Chat GPT の解説は間違いではありませんが、その説明で理解できる人は少ないと思われます。
  2. 後半部分の冠詞については、何を言っているのかわかりません。冠詞は名詞の前に付くのでは…。
  3. want の後には to + 動詞の原形 が必要です。

Bing Chat は優秀

Microsoftが提供する Bing Chat にも同様の課題に取り組ませてみました。Chat GPTとは違い、わかりやすく回答してくれました。

完璧すぎます。

Bing Chat はマイクロソフトのアカウントにログインしていない状態で1日5回まで、ログイン状態でも30回までと使用制限がありますが、無料で利用できます。

生成AIで英検のライティング問題の採点は可能なのか

生成AIで英検のライティング問題は可能なのか、Chat GPTより優秀なBing Chatで検証してみました。

結論から言えば、Bing Chat は英検の採点基準の取得には成功しましたが、採点は「高得点を期待できます」といった抽象的な表現に留まっています。また、点数まで出力するよう指示しましたが、正確な点数にはなりませんでした。

プロンプト(指示文)

採点結果(Bing Chatの回答)

点数をつけるよう指示したところ、次のような採点をしてくれました。ですが、英検2級のライティングは16点満点なので、点数がそもそもずれています。フィードバックは参考になります。