【英語】現在完了形の教え方、指導方法をわかりやすく解説(中学校・高校対応, 過去&未来完了)

英検1級、英国修士(TESOL/英語教授法)、英語教師のASAKOROKOです。

現在完了形は、中学校で教える文法の中でも、生徒が最も苦手とする項目の1つです。

高校では、現在完了形を基礎としながら、現在完了進行形未来完了過去完了を指導していくことになります。

後々まで繋がる重要な文法なので、出来るだけわかりやすく教えたいですよね。大丈夫です。この記事でしっかり解説していきます。 

この記事では、以下の内容について解説していきます。

この記事の内容
  1. 現在完了形の教え方(中学校)
  2. 現在完了と過去形の違い(中学校)
  3. 現在完了進行形(中学校・高校)
  4. 未来完了(高校)
  5. 過去完了(高校)

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現在完了形のわかりやすい教え方

現在完了の形と意味を指導する

最初に、現在完了の形と意味を指導しましょう。

現在完了は、Have/has + 過去分詞 の形です。意味は、「経験」「継続」「完了」の3つで、文脈で判断するよう伝えます。過去分詞は、不規則なものは帯活動などで継続的に指導していきましょう。

なお、文法指導では、解説を多くすると理解しきれない生徒が増えるので、コンパクトにまとめるのがオススメです。板書もこれくらいシンプルでOKです。

一緒に用いられる語句を指導する

現在完了形で、よく一緒に用いられる語句についても、合わせて指導していきましょう。

継続は since と for を指導

継続を表す時は、~以来 という意味の since期間を表す for を指導します。

【例文】
I have lived in Tokyo since 2019.
2019年から東京に住んでいます。

I have lived in Tokyo for three years.
私は東京に3年間住んでいます。

完了は already と yet を指導

完了を表す時は、すでに、という意味の alreadyまだ という意味の yet を指導します。

【例文】
She has already gone.
彼女はもう行ってしまいました。

I haven’t finished yet.
まだ終わっていません。

経験は have been to の形 と ever/never を指導

経験では、「~に行ったことがある」という意味の have been to の形、「これまでに」を表す ever、「一度も〜したことがない」という意味の never を指導しましょう。

【例文】
I have been to N.Y.
私はニューヨークに行ったことがあります。

I have never been to N.Y.
私はNYに行ったことがありません。

I have never met Taylor.
私はテイラーに会ったことがありません。

Have you ever met Taylor?
テイラーに会ったことはありますか?

現在完了形が使えない場面を指導する

完了形は、yesterday や last week といった過去を表す表現とは一緒に使うことができません。その場合は、過去形を使うよう忘れずに指導しておきましょう。

現在完了形と過去形の違い

日本人にとって難しいのは、現在完了と過去形の違いです。

現代日本語においては完了形が存在せず、実は過去形で代用しています。そのため、日本語に訳すだけでは理解しきれません。

完了と過去形の違いは、現在についての言及があるかどうかです。時間軸を書いてあげるとわかりやすいです。

現在完了のニュアンスは例文でも指導する

さらに、例文を見ながら確認していきます。

【例文】
Spring has come.
春がきた

私たちが日本語で「春がきた」という時、季節は春です。日本語では過去形を使いながらも、不思議なことに現在のことについて話してるのがわかります。これが完了形のニュアンスなんです。

もっと感覚に訴えるのなら「春来たり」という表現がぴったりです。春来たりと聞くと、「ああ、春が来たんだな」と感じると思います。その感覚が完了形です。

洋楽で現在完了の感覚を研ぎ澄ます

完了のニュアンスを上手に表しているのが、Ben E. King. の Stand by me の歌詞です。

【例文】
When the night has come and the land is dark…
夜が来て、あたりが暗くなっても

Stand by Me | The Buzztones

歌詞では、The night has come というように、完了形が用いられています。完了形を用いることで、夜は過去に終わったことではなく、今ここから続くことを暗に意味しています。

中学生相手にどこまで掘り下げるかは難しいですが、Stand by me は聞いたことがある生徒も多いはずです。リスニングを取り入れてみるのはいいかもしれないですね。

*ちなみに、ここまで読まれた方は、完了と継続の違いが曖昧に感じられたかもしれません。その感覚は間違いではないです。英語圏のテキストでは、完了と継続は同一の文法項目として取り扱われれることが多いです。

現在完了(経験)のアクティビティ

「経験」は日本人にとっても感覚的に理解しやすく、現在完了の形に慣れさせるのに最適です。オススメの活動は、シンプルにQ&Aです。

教師の質問にYes/Noで答えさせたり、慣れてきたら生徒自身に質問を作らせペアで対話させるのも効果的です。

Ze Frank の TED TALKS “Are you human?” は現在完了(経験)が多用されており、Q&A作成の参考になりますよ。

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日本国内だけでなく、英語圏での指導方法にも興味がある方には、TESOLのオンラインコースがオススメです。詳しくは、別の記事で解説しています。

現在完了進行形と未来完了、過去完了の指導(高校)

高校では、中学校で習う現在完了形に加えて、現在完了進行形、未来完了、過去完了の形を指導します。

いずれのパターンも、中学校で習う現在完了を理解していることが前提になります。現在完了を理解していない生徒がいる場合は、中学校の復習から入ることをオススメします。

現在完了進行形

現在完了進行形は、have been -ing の形です。これは、中学校で習う現在完了の3つの意味のうち、完了について掘り下げた項目になります。

【例文】
She has been singing for about two hours.
彼女は 約2 時間歌っています。

We have been watching Netflix for 8 hours.
Netflixを8時間見ています。

現在完了進行形 は使う動詞で判断する

中学校で習った完了形の形 have+過去分詞 を使うのか、現在完了進行形の形にするのかは、動詞の種類によります。

動詞が状態を表す動詞であれば have + 過去分詞の形、動作を表す動詞であれば現在完了進行形の形にするよう指導します。

状態動詞か動作動詞かは、進行形にできるかどうかが判断基準です。例えば、like は状態動詞です。I’m liking sports. とは言えないですよね。進行形にできるものは、原則として現在完了進行形を使う、というように指導するとわかりやすいです。

なお、動詞によっては、状態動詞とも動作動詞ともとれるものが存在します。その場合は、have + 過去分詞 の形でも、現在完了進行形でも、どちらの形も可能です。

【例文】
I have studied English for more than 20 years.
I have been studying English for more than 20 years.
私は20年以上英語を勉強してきました。

未来完了は時間軸で指導する

未来完了は will have + 過去分詞 の形です。現在完了が理解できていれば、未来完了は難しくありません。時間軸を書くとあっさり整理できます。

現在完了形では、現在が基準でした。未来完了では、未来のある時点が基準になります。基準となる点が前へ移動するだけで、あとは全て同じです。

なお、動作が始まる起点は、未来でもいいですし、現在でも、過去でも構いません。

過去完了も時間軸で指導する

過去完了は、had + 過去分詞 の形です。現在完了が理解できていれば、過去完了は難しくありません。時間軸を書いて指導します。

現在完了形では、現在が基準でした。過去完了では、過去が基準です。基準となる点が後ろにずれるだけです。

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