CEFR(セファール) B1とは? 勉強法はこれが正解!

CEFR B1は、英検換算で2級, TOEIC 550-780点です。企業の入社や昇格要件として用いられることも多いです。

達成すればキャリア形成が有利になるレベルなので、ぜひとも到達したいところです。A2からB1への到達は時間がかかりますが、誰にでも達成可能です。

この記事では、CEFR B1の特徴と到達までの学習時間、勉強方法について、しっかり解説していきます。

この記事の執筆者(ASAKOROKO)
英検1級・英国修士(TESOL/英語教授法)、現役英語教師。TESOLは国際的な資格も持っています。英語教師としての豊富な知識を生かして、今回はCEFR B1レベルを解説していきます。

CEFR B1は、英検2級, TOEIC 550-780点レベル

CEFR(セファール)は、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference)の略で、英語など外国語の運用能力を測る国際的な基準 です。

B1 は、CEFRの3つ目の段階で、中級(Intermediate)です。英検2級TOEIC 550-780レベルです。

CEFRの各レベルと資格試験のスコアを表にまとめると、以下のようになります。

CEFR B1レベルの特徴

CEFR B1は、海外旅行やホームステイで、自力対処できるレベルです。

CEFRのガイドラインによれば、B1レベルには、次のような特徴があります。

CEFR B1レベルの特徴
  1. 学校や仕事、余暇などでよく遭遇する慣れ親しんだ事柄について、はっきりとした標準的な話し方であれば、要旨を理解することができる。
  2. 個人的に関心がある、もしくは、よく知っている話題について、文と文をつなげ、簡単な文章が作れる。
  3. 経験や出来事、夢や希望、野心について、簡潔に理由をあげ、選択肢や計画について説明することができる。

CEFR B1レベル の詳細

  • 日常会話では、標準語または慣れ親しんだ言葉で明確に表現されていれば、話についていくことができます。
  • 会議のプレゼンテーションでは、その分野のトピックまたは製品に関する視覚的なサポート (スライド、配布資料など) があれば、理解することができます。
  • テレビ番組の視聴では、なじみのある話題について、比較的ゆっくりと明確に伝えられれば要点をつかむことができます。
  • リーディングでは、日常の機器の操作説明など、簡単な技術情報が理解できます。
  • 個人的な興味のある話題、または日常生活に関連する話題 (家族、趣味、仕事、旅行、時事問題など) について、準備なしで、個人的な意見を述べたり、情報交換ができます。
  • プレゼンテーションを行う場合は、フォローアップの質問を受けることができますが、速いスピードで話された場合は、リピートを求めなければならない場合があります。
  • レポートやエッセイでは、簡単な言葉を使って長所と短所を列挙し、自分の意見を述べたり正当化したりしながら、個人的な関心のあるトピックについて文章を作成することができます。

    Reference: Council of Europe. (2020). Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment.

B1 スピーキングの実例

B1 レベルのスピーキングについては、Cambridge Assessment によって、実例と審査員のコメントが公開されています。動画は A2 レベルの試験ですが、受験者は2人とも B1 に到達しています。

B1は日本人英語学習者の平均

B1は、日本人英語学習者の中では、平均的なレベルです。TOEICでは、社会人受験者のうち、約50%がB1レベルです。継続的に取り組めば誰にでも届くレベルと言えます。

B1 はキャリア形成にも有利

CEFR B1は、入社や昇格試験の要件としている企業も多いです。B1は、大人が本気になって努力する価値のあるレベルです。

会社名要求スコア
(入社時)
ファーストリテイリング
NTT東日本
東京電力
TOEIC 700
全日本空輸(ANA)
日本航空(JAL)
ニトリホールディングス
NEC
三井物産
TOEIC 600

CEFR A2 から B1 を目指す勉強法

CEFR B1 到達のポイントは、次の4点です。

  1. 客観的に実力をチェックする
  2. 到達までの学習時間を知る
  3. 文法と単語をインプットする
  4. 4技能をトレーニングする

1. 客観的に実力をチェックする

英語学習の鉄則は、自分のレベルに合った学習を行うことです。そのためには、自分のレベルを客観的に把握する必要があります。

2. CEFR A2 から B1 までの学習時間

CEFR A2 から B1 に到達するには、170-200時間のレッスン、もしくは240時間程度の独学が必要になります。

CEFR初級からのレッスン時間初級からの学習時間(独学)
C21,000-1,200---
C1700-8002,200
B2500-6001,320
B1350-400720
A2180-200480
A190-100240

1年で到達を目指す場合には、週3〜4回のレッスンが必要です。

独学で、1年で到達するには、1日あたり30〜40分程度の学習量です。1日1時間 x 週4日でも、同程度の学習量になります。

1年かけずに到達したい場合は、1日あたりの学習量を増やしましょう。

3. CEFR B1 レベルの英文法と語彙

B1 レベルの英文法

B1レベルでは、次のような英文法を、実際に自分で使えるようになる必要があります。

  1. -ing 節を含む文
    She saw him taking a taxi.

  2. 関係代名詞を含む文
    I met a very nice boy whose name’s John.

  3. SVO to do
    Your friends expect you to spend an amazing holiday with them.

  4. 助動詞の多様化
    I would rather take the train than drive. / I have invited all his friends, so we should be 28 people. (可能性を表すshould)

Education and Culture DG. (2011). English Profile: Introducing the CEFR for English.

CEFR B1レベルの語彙数

CEFR B1 では、約2,800~5,100語を習得することになります。

A2段階で既に2,600~3,600語を習得しているので、新たに覚える語は200~1,500語ほどです。

B1に必要な知識をつける

B1到達に必要な単語と文法が、インプットできる教材を、2冊ご紹介します。

1

English Vocabulary in Use Pre-intermediate and Intermediate Book
B1到達には、新たに約1,500語を覚える必要があります。単語帳とは違い、演習問題が豊富です。意味だけでなく、使い方も学べるのでオススメです。

\English Vocabulary in Use Pre-intermediate and Intermediate Book/

2

マーフィーのケンブリッジ英文法(中級編)第4版
CEFR Bレベルに特化した文法学習書です。わかりやすい解説に加え、豊富な演習問題で定着を図ります。日本の文法教材よりも、文法と場面の結びつきが強く意識され、実践的な内容です。

\マーフィーのケンブリッジ英文法(中級編)第4版/

単語・文法のインプットと同時並行で、4技能のトレーニングもしていきましょう。問題集だけで乗り切ろうとすると、英語の使えない日本人があっという間に出来上がってしまいます。

ここでは、日本人の苦手なリスニングとスピーキングに絞って解説していきます。

4. CEFR B1 リスニング&スピーキング対策

リスニングは、原因にアプローチ

リスニングは、聞き取れた単語や表現から、内容を推測する活動です。

例えば、beach, sunny, towel といった単語が聞こえたら、バケーションやハワイを想像するはずです。

さらに、will go といった表現が聞こえれば、「今度行くんだ、いいな」と思うはずです。もし went なら、「どうだったのかな?」と気になるはずです。

このように、リスニングは、聞き取れた単語や表現から、内容を推測するのですが、単語や文法を知らないと、推測の手がかりが減ってしまいます。

あるいは、単語や文法を知っていても、正しく聞き取れなければ、勘違いの原因になります。例えば、beach ではなく、peach と聞き取ってしまったとします。peach, sunny, towel では、ほとんどの人は、何も理解できないはずです。

beach と peach を聞き間違えることはあまりないかもしれませんが、bath と bus、 bag と bug など、英語には紛らわしい音が多いです。正しい発音で覚えていないと、聞き取れないので注意が必要です。

実際には、これらに話し手のスピードも要素に加わります。自分が理解できるスピードで話してもらえるとは限りません。英文理解の速度を上げていくことも大事です。

まとめると、リスニングができない原因は、以下のいずれかです。

英語が聞き取れない原因
  1. 知識不足
  2. 音声認識
  3. 処理速度

単語や文法の知識不足は、学習を進めていくと自然と解決することが多いです。

音声認識や処理速度は、スピーキングとも関係します。

自分で発音できるのに聞き取れないなんてあり得ませんし、自分で話しているスピードを理解できないこともあり得ません。

発音やスピーキングに力を入れるのは、リスニングを伸ばす上でも、実は近道です。ここからは、リスニングも伸ばせるスピーキングの対策について、解説していきます。

リスニングも伸ばせるスピーキング対策

B1のスピーキングでは、A2より長い発話が求められるようになります。

A2発話が平均 7.9語 であるのに対して、B1では 10.8語 です。実際に発話例を見てみましょう。

A2の発話例
We came back and went to bed. (7語)
私たちは帰宅して、就寝しました。

I think the zoo is an interesting place. (8語)
動物園は面白い場所だと思います。

B1の発話例
He was sitting there, drinking a coffee and writing something. (10語)
彼はそこに座って、コーヒを飲みながら、何か書いていました。

Talking about spare time, I think we could go to the Art Museum. (13語)
余暇について言えば、美術館に行くこともできると思います。

Education and Culture DG. (2011). English Profile: Introducing the CEFR for English

長い発話が求められるということは、それだけ流暢に話す必要が出てきます。そのためには、実際に、口を動かして、トレーニングを重ねていきましょう。

何度も口に出した単語や英文法は、次第に意識せずとも使えるようになっていきます。自分で素早く使える表現は、他人から言われてもすぐ理解できます。