今回は、授業づくりのポイントを解説していきます。
授業づくりに関する書籍や資料は多いですが、どれも分量が多く、肝心の大事なポイントがぼやけがちです。
この記事では、本当に大事なポイントに絞って、次の順で解説していきます。
- 児童生徒理解
- 指導目標
- 学習活動
- 導入・展開・まとめの役割
- 授業後のふりかえり
チェックリストにすると、次のようになります。
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1. 児童生徒を知る
授業を計画する上で、真っ先に考えるべきは、児童生徒です
児童生徒について、どれだけ知っているかが授業の成否を分けると言っても過言ではありません。
授業はよく山登りに例えられます。教師は山岳ガイドで、児童生徒はツアー参加者です。
どの山を、どのルートで、どれくらい時間をかけて登るのかは、参加者の体力や経験によって変わってきます。
授業も同じです。児童生徒の実力や得意・不得意分野などに応じて、指導方法を決めていきます。
この記事では、少なくとも、担当クラスの上位層・中間層・下位層は把握できている、という前提で進めていきます。
2. 指導目標を明確にする
指導目標は、良い授業をする上でかなり重要な要素です
授業を山登りに例えると、指導目標は言ってみれば山頂です。
指導目標を決める際には、次の3点を意識してみましょう。
- 最終的な到達目標を決める
- チェックポイントを決める
- 評価を意識する
⑴ 最終的な到達目標は、単元の指導目標になることが多いです。
⑵ チェックポイントは、本時の目標です。
本時の目標を1つずつ通過していくことで、最終的に単元の目標にたどりつくイメージです。
⑶ 最終的な到達目標もチェックポイントも、評価を意識して書きます。
そうすることで、児童生徒が目標を達成できたのか、そうでないのかが、はっきりとわかるようになります。
目標を達成できない児童生徒がでた場合でも、適切な助言や復習を通して全員をゴールまで導きます。
3. 最適な学習活動を選択する
⑴ 活動をリストアップする
目標を達成できそうな活動をリストアップしていきましょう
目標に対して、学習活動が1つとは限りません。山登りでいくつもコースがあるのと同じです。
まずは、目標に対してどのようなアプローチがあり得るのか書き出していきます。
例えば、英単語の指導では、次のような指導方法が考えられます。
- リピート
- 書き取り
- フラッシュカード
- ペアワーク
- ゲーム形式
次に、自分の受け持つ児童生徒が対応できるか考えていきましょう。
⑵ 児童生徒の反応を予測する
活動が難しすぎないか考えていきます
考える際のポイントは、児童生徒を次の3つの層に分けることです。
- 上位層
- 中間層
- 下位層(〜7人)
下位層のみ人数が書かれていますが、これには理由があります。
下位層の児童生徒は、個別の手助けが真っ先に必要になる子どもたちで、机間指導で対応することになります。
全員が目標を達成できるようにするためには、机間指導でサポートできない数の生徒を下位層に含めないようにします。
机間指導でもっと多くの児童生徒を見て回れるなら人数を増やしてもいいですが、反対に7人も見て回れないと思う場合には減らし、中間層のレベルを下げましょう。
3つの層に生徒を分類したら、下のチャートにしたがって活動を考えていきます。
最後に、上位層にとっても学びがあるか確認します。
4. 1時間の流れのポイントを押さえる
導入・展開・まとめの各段階の役割、やっておくべきこと・考えておくべきことを確認していきましょう。
⑴ 導入
導入の役割は、やる気の引き出しと方向づけです
導入では、次の2つがポイントです。
- 関心を持たせる
- 目標を共有する
◉ 関心を持たせる
関心を持たせる簡単な方法は、次の2つです。
- 発問する
- 写真を見せる
発問は、児童生徒の考えを揺さぶるようなオープエンド形式が理想です。
写真はただ見せるのではなく、考えさせるのがポイントで、次のような方法があります。
- 2枚の写真を対比させる
- タイトルを付けさせる
- 写っていないものを考えさせる
発問や写真を見て考えたことが、目標へと収斂するのがベストです。
◉ 目標を共有する
目標だけでなく、目標設定の理由まで共有すると、児童生徒としても納得して学習を進めやすくなります。
⑵ 展開
展開では、活動の切り替えがポイントです
活動を切り替えるのは、次の2つの理由があります
- 児童生徒の集中力
- 軌道修正をする
◉ 児童生徒の集中力
1つの活動を長く続けると、飽きてしまったり、疲れてしまったり、メリハリがなくなります。同系統の活動が続かないよう注意が必要です。
次の4つの活動のうち、最低でも2つを取り入れるとメリハリが出てきます。
- 講義・ノートテイク・問題演習
- 話し合い・ペアワーク
- レポート・作文
- アクティビティ
体育や音楽といった実技科目の場合は、練習と試合、個人練習と全体リハーサルなどを組み合わせると集中力が続きやすいです。
◉ 軌道修正のポイント
授業中に軌道修正が必要になるのは、次のケースです。
- 活動の指示が通らず、全体が混乱してしまった
- 出来ない生徒が予想より多く、机間指導では手に負えなくなった
- 想定よりも時間がかかり、予定を消化できなくなった
共通して言えることは、活動を中断しなければならないということです。
授業計画時から不安に感じる場合は、切り上げられそうなポイントを事前に決めておくようにします。
活動を中断することになった場合は、目標達成ができなくなるので、次の時間や単元の終わりに復習します。
⑶ まとめの役割
まとめの役割は、家庭学習につなげることです
まとめでは、次の流れを意識しましょう。
- 学習内容のまとめ
- フィードバック・コメント
- 家庭学習の方向性
このような流れにすることで、児童生徒は授業中に学んだこと・できたことと、今後の学習課題をはっきりと認識でき、家で何をするべきかわかります。
結果として、授業→家庭学習→授業 という、好循環につながります。
5. 授業後のふりかえり
授業後には、目標達成の度合いを必ずチェックしましょう
全員が目標を達成できていない場合、次のどちらに該当するか分析しましょう。
- 全体的に達成度合いが低い
- 一部の児童生徒が達成できなかった
全体的に達成度合いが低い場合は、全体に向けて再び指導します。
一部の児童生徒のみが達成できていない場合は、個別にアプローチします。
机間指導の回数を増やしたり、小テストの点数などに応じて個別に課題を与えることも考えられます。
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