【教育実習】研究授業を失敗せず乗り切るコツ!反省会までの流れ

今回のテーマは教育実習で避けては通れない研究授業を乗り切るコツです。

現役の教員時代に教育実習生を何回か受け持っています。教科指導・研究授業も受け持ったので、その時の経験をもとに記事を書いていきます。

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1. 教育実習の研究授業って?

研究授業と聞いても色々と疑問があると思います。

  • 普段の授業と何が違うのか
  • 何のためにやるのか
  • 特別なことをする必要があるのか

そもそも研究授業とは何かがわかっていないと対策の立てようがありません。

まずはこれらの疑問を1つずつ解決していきましょう。

⑴ 普段の授業との違い

結論からいえば、普段の授業と違うのは以下の2点だけです。

  • 指導教官以外の教員も参観する
  • 授業後に合評会が開かれる

合評会というのは、授業後に実習生と教員らで行われる質疑応答・振り返りです。

⑵ 研究授業は何のためにやるのか

研究授業は実習を評価するために行われます。

実習の最後に行われることが多く、実習生にとっては実習での学びを見せる場です。

指導教官らにとっては、実習生の教科指導力を評価する場です。

もちろん普段の授業も評価に含まれます。

しかし、研究授業は指導教官以外も参観しており教員間で意見を共有しやすいというメリットがあります。

複数の教員で観察・評価することで客観的で公平な評価に努めているとも言えます。

実習生が複数いる場合は全員が研究授業をしないこともありますが、その場合は研究授業を基準として評価の目線合わせが行われています。

いずれにしても研究授業は公平で客観的な評価のためには欠かせません。

⑶ 特別なことをする必要があるか

いつも通りの授業でOKです。

特別なことをする必要がない理由は2つあります。

① 求められているのは基本的な授業力

教育実習の研究授業では、現職の先生がしている普段の授業ができればそれで合格です。

② いつもと違うことをすると子どもがついて来ない

子どもたちはいつもと同じ授業をする限り、少ない指示でもちゃんと行動してくれます。

教師の指示を聞き漏らしても授業は成り立つと言えます。

ところが、いつもと違う授業をすると「え?いつもと違うの?」「なにすればいいの?」「それってどういうこと?」といった子どもたちの疑問が増えていきます。

子どもたちが混乱すると授業者側も焦りますし、立て直しに時間を取られて計画通りに進まなくなるのでオススメしません。

●余談:現職の研究授業の場合
現職の場合は特別な取り組みが求められます。学習指導要領や中教審での議論などを背景に研究テーマが設定されます。例えば、中学校の英語は英語で教えるという方針が決定されると、現場では「現実的にそんなの無理」「どうやっていいかわからない」となります。そこで、上手に実践できている先生のやり方をみんなで勉強しようということになり、研究会が開かれ研究授業が行われます。

2. 研究授業に向けた準備(前日まで)

⑴ 指導教官との打ち合わせ・授業づくり

研究授業は指導教官と相談しながら進めましょう。

研究授業に向けた準備は次のようになります。

① 実施日時・クラスの決定

時間割作成の都合上、実施日の前週にクラスや何時間目に行うのか決定されることが多いように思われます。

どのクラスや科目で実施したいか希望を取ってもらえる場合もあるかもしれません。

② 指導範囲・目標の決定

実施日が決まれば、そのクラスであと何回授業ができるのか確定します。

指導する範囲と目標もおのずと決まります。

③ 指導案・授業づくり

指導案を作成し、指導教官から助言をもらいながら授業準備を進めましょう。運が良ければ同学年の別クラスで事前に指導するチャンスがあるかもしれません。

ほとんどの場合、実習生の指導案に対して指導教官から一発でOKが出ることはありません。何度か書き直しできるよう時間に余裕を持っておくようにしましょう。

指導案が書けたらあとはイメージトレーニングをしておきましょう。

⑵ 指導案の配布と参観依頼

指導案の配布と参観依頼の方法は学校によって違うので、指導教官と打ち合わせましょう。

指導案の配布方法にはいくつかパターンがあります。

  • 教育実習生でまとめて1冊にする 
  • 教員全員の机に配布する 
  • 教室前の廊下に机を出して置いておく 
  • 個別に依頼してまわる

いずれの場合にしてもいつまでに作成して、印刷すればいいのか確認しておきましょう。

指導案以外に用意する可能性のあるものとしては次の2つが考えられます。

  • 授業で配布するプリント
  • 教科書や補助教材のコピー

印刷するだけでも意外と時間がかかりますので注意が必要です。

3. 研究授業(当日)

⑴ 教室の準備

教室のセッティングは忘れがちなので注意です。

参観者用のイスを用意したりすることが多いと思います。

指導案や配布プリントを用意しておく場合もあります。

教具のチェックも忘れずにしておきましょう。

  • チョーク 
  • 座席表 
  • 配布プリント 
  • ディスプレイ, etc.

体育など教室以外で実施する場合は、どこから参観してもらうのか考えておきましょう。

体育館での研究授業ではステージ上にイスを並べてることもありました。

⑵ 授業中に気をつけること

研究授業では次の2つに対策を!

① 緊張しても視野を広く保つ

研究授業ではいつも以上に緊張しがちです。緊張すると視野が狭くなることがわかっています。

ふだんは教室の後方の児童生徒まで目が届いていても、研究授業になると自分の手元にしか目がいかなくなるのはよくある話です。

視野が狭くなり手元ばかり見ていると児童生徒の反応を見逃すことになります。

結果的に、子どもたちに指示が通りきっていないうちに活動を始めてしまうなどのより大きなミスに繋がります。

研究授業では意識的に子どもたちの方へ視線を向けることをオススメします。

② 時間を意識しすぎない

教育実習生に限ったことではありませんが、研究授業では指導案通りに進めようとしがちです。

ですが、1番大切なのは指導目標の達成です。

子どもたちが理解していないのに先に進んでしまったり、活動を端折ってしまったりするのはNGです。

間違いなく合評会で指摘されますし、なにより子どもたちの学習になりません。

あらかじめゆとりを持った計画立てをしておくことをオススメします。

●緊張すると話し方も変わる
緊張すると視野だけでなく話し方も変わります。特に「間(ポーズ)」がなくなります。「間」は児童生徒の意識を集中させたり、発問後に考える時間となっていたりと、重要な役割を果たしています。緊張すると早口になる人は要注意です。

●授業が早く進む場合もある
研究授業では予定よりも早く進んでしまうこともあります。子どもたちも教員も談笑を挟まなくなりがちで、非常にスムーズに進む場合もあります。万が一に時間が余った場合に備えて予め活動を余分に用意しておくと安心です。準備も少なく簡単なのは1時間の振り返り活動です。紙に書かせるもよし、ペアで話合わせるのも、まとめの演習問題を提示する方法もあります。

⑶ 授業後

授業後は指導教官のもとへ

授業後は指導教官にお礼をして、合評会(反省会)の打ち合わせをしましょう。

参観された先生にもお礼が言えればいいですが、誰が来ていたのかまで記憶にないことも多いです。

素直に指導教官に打ち明けるのも手です。

4. 合評会を乗り切る

⑴ 合評会(反省会)の流れ

合評会の流れは以下の通りです。

① 授業者から

次の事柄について一言ずつ程度で簡潔に述べるのが一般的です。

  • 参観のお礼 
  • 単元における本時の位置付け 
  • 本時の指導目標と指導計画 
  • 指導目標の達成状況 
  • 結び(助言の依頼)

【授業者からのコメント例】

本日はお忙しいところ参観いただきありがとうございました。本時は6時間構成の単元「○○○」における5時間目でした。本時の指導目標は○○○で、授業の流れとしてはお手元の指導案にあるように…というように計画していました。途中戸惑う生徒もありましたが、最終的にはおおむね目標を達成できたのではないかと考えています。ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

② 指導教官から

指導教官として事前にどのような指導をしていたのかについて述べられることが多いです。

③ 質疑応答・講評

参観者との質疑応答、講評をしてもらいます。

④ 授業者から

合評会へのお礼、今後の抱負などが述べられるのが一般的です。

⑵ 合評会でよくある質問

合評会でよくある質問です。

  • 具体的に児童生徒は何を理解し、何ができるようになればよかったのか 
  • なぜその指導目標が必要だと判断したのか 
  • 何割の児童生徒が目標を達成したと考えているか 
  • 児童生徒の学習度合いをどのように評価・看取ったのか 
  • 本時の達成状況を踏まえ、次時はどのように計画されるのか 
  • 実習中に何を学んだのか

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